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@way The Taiwan Road.-26 「無念と興奮」

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★@way The Taiwan Road. INDEX
[2011/07/04]
@way The Taiwan Road.-旅立ち-
@way The Taiwan Road.-1 「出国、入国」
@way The Taiwan Road.-2 「台北へ」
@way The Taiwan Road.-3 「夜市とビール」
[2011/07/05]
@way The Taiwan Road.-4 「台北101」
@way The Taiwan Road.-5 「台北から台中へ」
[2011/07/06]
@way The Taiwan Road.-6 「お手伝いと、右側通行を駆け抜けて」
@way The Taiwan Road.-7 「一中街の再会」
@way The Taiwan Road.-8 「夜を駆け抜けて」
[2011/07/07]
@way The Taiwan Road.-9 「朝の出会い」
@way The Taiwan Road.-10 「晴天の高雄」
@way The Taiwan Road.-11 「砂糖を運んでいた鉄道-序章-」
@way The Taiwan Road.-12 「台湾糖業博物館」
@way The Taiwan Road.-13 「おれんじの冒険」
@way The Taiwan Road.-14 「瑞豐夜市、食べ歩き」
[2011/07/08]
@way The Taiwan Road.-15 「もっと南へ」
@way The Taiwan Road.-16 「南シナ海と台湾最南端」
@way The Taiwan Road.-17 「海浜の余韻」
@way The Taiwan Road.-18 「墾丁大街と出火」
[2011/07/09]
@way The Taiwan Road.-19 「爆走WISHとよく喋る運転手と日本料理の店」
@way The Taiwan Road.-20 「マンゴー・筍・ハイネケン」
[2011/07/10]
@way The Taiwan Road.-21 「赤い二輪に跨って」
@way The Taiwan Road.-22 「埔里にて、紹興酒」
[2011/07/11]
@way The Taiwan Road.-23 「台湾鉄道の旅 -嘉義へ-」
@way The Taiwan Road.-24 「阿里山への酷道」
@way The Taiwan Road.-25 「森林鐡路のおじさんと番犬ニコ」
[2011/07/12]
@way The Taiwan Road.-26 「無念と興奮」
@way The Taiwan Road.-27 「神木物語」
@way The Taiwan Road.-28 「またね阿里山」
@way The Taiwan Road.-29 「彰化扇形庫」
[2011/07/13]
@way The Taiwan Road.-30 「水餃子の味」
@way The Taiwan Road.-31 「非日常の中の、日常」
[2011/07/14]
@way The Taiwan Road.-32 「またあとで」
@way The Taiwan Road.-Epilogue-


2011年7月12日(火)

110918-2.jpg現在来ている阿里山は、山頂から見る日の出が有名で、それはそれは息を飲むほど美しいと事前に聞いていた。僕自身山頂から息を飲むほどの日の出を見たことがなかったので、この阿里山では是非見てみたいと思っていた。というわけで、@way The Taiwan Road.9日目は阿里山の日の出を見に行くところから始まる。

昨日散々山道を走って阿里山に到着したわけだけど、現在いる民宿のある場所は山頂ではない。日の出を見る場所はここから少し歩かなければならず、日の出よりもずっと早く起きてそこへ向かう必要があるのだ。つまりこの日は、深夜か早朝か分からない2:30という時刻に起床した。ボーっとしながら朝の準備を進める。ね、眠い。

3:00に民宿のフロント前に集合して、そこから民宿の車で山頂へと続く道の入口まで向かいそこから40分ほど歩く予定。3:00にフロントに向かうと、民宿の人が3:30頃出発すると言っていたので、僕と相方はひとまず民宿隣にあるセブンイレブンへ朝ご飯を調達に。外に出ると、雨だった。このままでは日の出を拝むことはできないだろう。けれど、山の天気は変わりやすい。良い方に変わってくれることを祈って、僕らはセブンイレブンへ入店する。僕は異様に野菜ジュースが飲みたかったのでそれと、豚まん、おでんを買って一旦部屋に戻って食べた。

朝ご飯を終え、3:30頃に再びフロント前に向かう。この民宿から日の出を見に行くのは僕らの他に数名いる。その数名が集合しきるまで相方は民宿に設けられたパソコンでネットをしていた。僕はボーっと。

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ネットをする相方。

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ネットをしたり、ボーっとしながら他の参加者を待っているとやがて数名が集まった。本来ならばもうちょい人数がいたらしいけど、「雨降ってるし日の出見えないってー」と既に諦めて寝ている人も数人いるようだ。僕はまだまだ見れると信じたいのだけど、民宿の人が「今日は難しいかもね」と言っていた。山頂から息を飲むほどの日の出を見たいのは山々だけれど、それだけが阿里山に来た目的じゃない。見れなくてもいいやん…と自分に言い聞かせ、パラパラと雨の降る中、民宿の車に乗り込む。運転席隣の助手席が2人座れるようになっていたので、僕らはそこに座った。3:40頃、真っ暗闇の中車は動き出す。

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5分ほど山道を走ると、さらに山へと続く「往祝山 觀日歩道」と書かれた歩道の入口前に到着した。ここから約40分ほど歩くと、日の出を見ることができる祝山の山頂に到着するらしい。車を降りて、すぐさま男性4人組みが進み始めた。他には僕らと、女性のグループがいる。男性グループに続き、僕らも山頂を目指して歩き始めた。

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歩道は一応整備されていて、電灯もある。ただ、雨が降っているので足元が滑りやすく、何度か滑ってコケそうになった。この道を整備した人ってすごいなぁとか、日の出見れるといいなぁとか、疲れたぁなんて言いながら僕らは暗い山道を進む。

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20分ほど登った辺りで途中踏切の標識を見かけたと思ったら、目の前に踏切が現れた。道が真っ暗で、踏切の標識はあるもののその先の踏切が見えなかったので少し驚いた。こんな山の上に鉄道がある、それが阿里山森林鐡路だ。もし日の出が見れなかったら、今回森林鐡路にも乗れなかったから次回絶対阿里山はリベンジだな…なんてことをこの時結構考えていた。諦めたくはないけど…いくら山の天気が変わりやすくても、この雨じゃ日の出を拝むのには厳しいかもしれない。

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やがて日の出を見る場所に到着した。実は最初ここに到着した時、さらに道は上に続いていたのでここが日の出を見る場所だとは思わずもう少し先に進んだ。先に進んでいた男性グループも少し迷いながらこの場所より先に進んでいて、後から付いていく僕らに「僕達もこの道が正解か自信ないよ」と言っていた、らしい。結局さらに上に進むと真っ暗な何もない場所に到着し、男性グループはしばらくそこにいたらしいけれど、僕らはここに戻ってきた。とりあえず、日の出を見る場所に辿り着いた。到着したのは4:30頃。少し迷ったため約50分掛かってしまった。

この日の出を見る場所は屋根があり、座ることができるスペースもある。雨には濡れないが、イスが吹き付けた雨でびちゃびちゃに濡れていた。坂道を上ってきたので結構疲れた。座りたいなぁ、なんてだらしないことを言っていると、何やら二輪車が近付いてくる音が聞こえてきた。

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日の出を見る場所の隣にはお土産屋さんがあり、そこで働くおばさんとおじさんが二輪に跨ってやってきた。バイクで来れるのかよ!と少し亜然となったけど、びちゃびちゃのイスを拭くための新聞紙と、お湯を分けてもらった。よくよく考えてみたら、かなり寒い。阿里山に登る前に相方に「服たくさん持っていった方がいいから!」と言われたのだけど、暑い下界でそんなことを言われても「いやぁ、大丈夫でしょう」となるわけで、薄いフリースを一枚持っていったのみだった。結局相方が僕のために服を持ってきてくれていて、僕はそれを着た。ホント、ありがとう。寒い中、おばさんにもらったお湯が身に沁みる。あばさんはポットでわざわざお湯を持ってきてくれて、それをコポコポと日の出を見に来た観光客達に配っていた。

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(左)おばさんにもらったお湯。(右)さらにイスを拭く新聞紙ももらって、腰掛けることができた。

相方は少しおばさんと喋っていて、その時こんな話を聞いたらしい。「以前中国人がたくさんここに来た時もこんな感じに雨が降っていてねぇ。でも、日の出の前にいきなり晴れ上がって、それはそれは美しい日の出を見ることができたんだよ。」。希望はある、まだ諦めてはダメだ。…ただ、そんな奇跡的な日の出は1年に1回あるかないかぐらいの確率らしい。

110918-12.jpg暗闇が少しずつ青色に変わって行く度に、日の出目的の観光客が増えてきた。やがて座るスペースは埋まり、立つ人も増えてきた。女の子2人と男1人のグループ。そのグループの男が立派なカメラに三脚をセットして日の出を迎える準備をしている。お父さんとやってきためちゃくちゃ寝むそうな小さい女の子。ベンチに座って、赤いレインコートで体を包んでいて、顔だけが見えていた。僕とちょいちょい目が合ってその後必ず顔を伏せる。日の出を見ようと、お父さんに無理矢理連れて来られたのかな。めちゃくちゃ可愛い。まるで登山家のようなガッチガチの登山グッズに身を固めたおっさん。ステッキっぽい棒まで持ってる。何人かスクーターで来た人もいる。そんな感じで結構な人数が集まったところで、突如一人のおじさんが現れ、皆が注目する中小さな台を置いてその上に立ち喋り始めた。どうやら阿里山のガイドさんのようだ。

「この瞬間、日の出を見れる可能性は一気に半分になりました!」なんてことを高らかに宣言しはじめた。その後阿里山観光について話したり、檜グッズの商売話に話は転換していった。そんなおじさんの話を聞いているうちに空はみるみる明るくなっていく。しかしその「明るさ」は日の出ではなく、霧の向こうに太陽が上ったからであって、見えてきたのは一面の霧。無念の日の出、この日、僕らは息を飲むような日の出を見ることはできなかった。

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本来ならば、この霧の広がる場所に日の出を見ることができるはずだった。一面に広がる霧、そして雨。うん、残念!けど、仕方ない。写真左の木はあえて切られずに残されているらしい。この木と、日の出のセットが「阿里山の日の出」の定番ショットとなるのだそうだ。そんなイメージで撮ってみたけれど、うーん…。

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(左)おじさんは檜グッズの営業開始。(右)お湯をくれたおじさん、おばさんの二輪。

さっきまで座っていた場所では、ガイドのおじさんが檜グッズの販売をしていた。結構たくさんの人がそれに食いついていて驚いた。僕らは檜グッズには一切手を出さず、近くのトイレに行ってからこの場所を離れた。日の出は残念だったけど、阿里山観光はまだまだこれから。これから約3時間の山歩きコースを巡り、阿里山の神木を見て回る。

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日の出を見る場所の裏は実は阿里山森林鐡路の駅になっていた。車両は停車していなかったけれど、霧の中に浮かぶ駅の雰囲気は中々良い。祝山駅という名の駅らしい。ちなみにこの駅の海抜は2452mらしい。

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約3時間の山歩きコースに入る前に、先ほど50分ほど掛けて上って来た坂道を下る。さっきは暗くて周辺の様子が全く分からなかったけれど、今は周りに鬱蒼と茂る木々がよく見える。ここにきて初めて、山の中にいることを認識した。

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道の脇にはさらに未知なる領域に進む小さな道があったりする。そこには立ち入らなかったけれど、その道の入口にあった「滑るので注意」の看板が良い感じ。つるん!と滑っている感じがかわいい。画像左の看板です。

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さらに道を下ると、先ほど駅があった地点から伸びている軌道が道路と並行し始めた。霧の中に浮かぶ森林鐡路の軌道、正直、かなり個人的にぐっとくる光景。阿里山森林鐡路は観光地化されている色の方が濃い部分もあるけれど、現役の森林鉄道として是非この目で見たかった鉄道だ。昔は日本でも走っていた森林鉄道や産業用軌道、トロッコ、ナローゲージ。昔の日本のものとは全く異なっていても、他国でそのような光景があるのであれば、それを求めて旅に出たい。そんな目的だけでなく、とにかく色んな国を旅したい。旅をすればするほど、旅がしたくなる、今はそんな心境だ。

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やがて踏切の標識が見えてきた。緑の草をバッグに、赤い標識が映える。標識に描かれているのは蒸気機関車っぽいが、実際に森林鉄道ではSLも走る。SLなんて贅沢は言わない、DLでも良い、いや、人力のトロッコ(個人的にこれが一番贅沢)でも構わない、何か走ってきてくれー!と、僕は運休中の阿里山森林鐡路に心の中で叫ぶ。

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踏切を渡る。道路の交差し、人や車が通る部分はこのように何本かの線路が敷かれている。全てをコンクリートで固めてしまわないのが特徴的だ。そういえば、昨日車庫にお邪魔した時もこんな踏切を見かけた。印象的な踏切だ。

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踏切を渡って、アスファルトの道路から石畳の階段に入る。ここからは特に滑りやすいので注意しながら。この辺りから相方にコンデジのエースLX5を渡し、僕はGF1で撮影。道の脇の電灯はまだ点灯している。そろそろ電灯なしでも視界は良好になってきた。

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周囲は、木々が鬱蒼と茂る。まるでとあるカードゲームの「森」カードの絵柄のよう。そういえば、結構な高さまで山に登ったり、山歩きをしたり、真剣に森の中のマイナスイオンを満喫した経験はあまりない。これから先の山歩きが楽しみだ。とりあえず、遭難しないように、生きて帰ろう。

やがて3:40頃から上り始めた山道の入口に再び到着した。ここから山歩きコースに入る。地図を確認して、道端の道標と照らし合わせて、さぁ行こう。ここで普通に根を張る木を電柱化した電信柱を見かけた。それがこんな感じだった。

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普通に「木」かな?と思ったら…

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上は電線が張られている電柱だった。

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面白い木の電柱を見て、線路沿いに続く道があったのでそこを辿って行くと、やがて2本の線路が繋がる場所に出た。

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さらに進むと商店が軒を連ねる道に出て、そこを抜ける。この道も線路沿いにあり、商店を抜けて線路を俯瞰した。空は次第に青くなっている。霧が少しずつ晴れてきているようだ。そういえば雨も止んでいる。この先の神木巡りがますます楽しみになってきた。

その時だ。

ゴトゴトと、線路を車輪が転がるような音が聞こえた。その音は次第に、次第に大きくなってくる。僕は耳を疑った。運休中の森林鐡路の線路で、なぜこんな音が…?その音は、僕が今線路を俯瞰している方向とは逆の、つまりこれから先に進む方向から聞こえてきていた。僕はすぐさまその方を向いた。

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ゴトゴトゴトゴト…

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ゴトゴトゴトゴト!!!!!

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ゴトゴトゴトゴト…

二人の男性が乗るトロッコは、僕らの目の前を結構なスピードで駆け抜けて行った。エンジンが載せられているのだろうか、男性二人の乗るトロッコは軽快に霧の中へと消えて行った。

あまりの興奮に、日の出が見れなかったことの無念なんて、すっかり忘れていた。

| @way The Taiwan Road.(11/07/04-14) | 23:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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