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@way The India Road.-8 「軌道上は夕刻へ」

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■@way The India Road.INDEX

[2011/09/10(Sat)]
@way The India Road.-1 「香港経由」
@way The India Road.-2 「クラクションの歓迎」

[2011/09/11(Sun)]
@way The India Road.-3 「誰かの朝へ」
@way The India Road.-4 「塔と門」
@way The India Road.-5 「赤砂岩の砦」
@way The India Road.-6 「チャンドニー・チョウク」
@way The India Road.-7 「裕福なインド人」
@way The India Road.-8 「軌道上は夕刻へ」

[2011/09/12(Mon)]
@way The India Road.-9 「ヒンドスタン平原の朝」
@way The India Road.-10 「映らぬ水面」
@way The India Road.-11 「物売りの少年」
@way The India Road.-12 「月下、始まる祈り」

[2011/09/13(Tue)]
@way The India Road.-13 「ガンガの夜明け、浮かぶ太陽」
@way The India Road.-14 「路地裏に牛」
@way The India Road.-15 「印象-混沌のベナレス-」
@way The India Road.-16 「人力車の冒険」
@way The India Road.-17 「優しいインド人」

[2011/09/14(Wed)]
@way The India Road.-18 「タージ・マハルを見た日」
@way The India Road.-19 「虹」

[2011/09/15(Thu)]
@way The India Road.-20 「ファテープル・シークリーにて」
@way The India Road.-21 「ピンクシティ」
@way The India Road.-22 「象のタクシー」

[2011/09/16(Fri)]
@way The India Road.-23 「風の宮殿」
@way The India Road.-24 「逆走」

[2011/09/17(Sat)]
@way The India Road.-25 「軌道上の灯」


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ニューデリー駅

サリーのお店からツアーバスに乗ること30分、時刻は16:45を回っていた。やたらと人やオートリキシャーで混み合っている場所に到着したと思ったら、デリーから次なる街へと向かう寝台列車に乗るニューデリー駅に到着していた。ツアーバス車内で事前にラムさんから駅では色んな人がいるから(トラブルに巻き込まれないように)気を付けるように!と言われていたのでどんな駅かと気になっていたが、なるほど、これは色んな人がいそうだ。人で溢れ返っている。

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ニューデリー駅に到着して撮った1枚。我々観光客を興味津々に見ていたその眼差しがやけに印象的だ。

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(L)バスから降りると、赤服の男達が集ってきた。(R)彼らはいわゆる”ポーター”らしい。

ツアーバスは駅前に停まり、我々観光客はバスから降りる。降りるやいなや、赤服の男たちが集ってきて、バスに積んでいたスーツケースをまるで奪い取るかのように「俺に任せろ!運んでやる!」と迫って来た。マジかよこいつら、と思ったけど、ラムさんも「駅では階段を上ったりして大変だから運んでもらうといいよ」と公認の様子。僕と山本さんは全く運んでもらう気はなかったけれど、赤服の”ポーター”達の押しに負けてスーツケースを運んでもらうことに。他のツアー参加者達数名も運んでもらっていた。(もちろん自分で運んでいる人もいた。)

まぁスーツケースを運んでもらうというのは自分が身軽になるということで非常に楽っちゃ楽。この赤服のポーター達は「ポーター」と書かれた腕章を付けていて、一応はこういった場所で荷物を運ぶ公式の人間達らしい。後からいくらチップをせがまれるのか不安だけど…。

ポーター達は頭にスーツケースを担いで我々を先導するように歩きだした。中にはスーツケース2個頭に担いで頑張っている人もいた。皆、必死だ。ちなみに、デリー観光でお世話になったツアーバスの運転士さんと助手の人とはここでお別れ。チップを手渡し、ありがとうと言って僕らツアー参加者達はニューデリー駅へと向かった。

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頭にスーツケースを担いで運ぶポーター。僕のスーツケースは左のポーターに持ってもらっている。

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ポーターがぐんぐん歩いて行く先は、先ほど人でごった返していた駅舎の入口ではなく、「ENTRY」と書かれた荷物の検査場だった。ここで自分達の持つ荷物をチェックする。

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まるで空港のX線検査のような機械にスーツケース等を入れ、検査を受ける。写真ではポーターの男性がやたらと笑顔だ。なんでだろ。

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というわけでニューデリー駅のホームに出た。すごい、これがインドの駅か。駅の外もごった返していれば、駅の中も人でごった返している。ホームの人の多さに唖然としつつも、ポーターはさらにスーツケースを運んで違うホームへ移動していくので付いて行く。相変わらずスーツケースを頭に担ぎ、階段を上り、連絡橋を渡り、階段を下りて別のホームへ移動していく。移動した先のホームに、どうやらこれから乗る寝台列車が滑り込んでくるらしい。

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(L)階段を上って…(R)ホームとホームの連絡橋を渡る。

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ホームからホームへ移動する際の連絡橋を渡り、階段を下りて新たなホームへ向かう際、ニューデリー駅の規模の大きさに驚く。世界の鉄道というのも非常に興味深いので、ここニューデリー駅がどんな感じで、どのような車両が走っているのかなんてことを考えるとワクワクしてくる。

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仕事を終え引き上げるポーター達。

ポーター達はホームのベンチのあるところでスーツケースを置き、スーツケースの持ち主それぞれにチップをせがんできた。100ルピーか200ルピーほど払った。山本さんがポーターに払うと、そのポーターは疲れ果てた笑顔で山本さんと少しだけ絡んでいき、皆一斉に引き上げていった。

ポーターが引き上げて行き、あとは寝台列車の到着を待つのみ。山本さんは汗だく、インド人の家庭訪問で仲良くなった男性はホームの離れた場所で紫煙を吹かし、他の女性の参加者達はスーツケースの近くで一息付いていた。ここまでの観光は中々気温の高い中でのツアーであったし、ほどほどに疲労も溜まってきているよう。寝台列車もまだ来そうにないので、僕は少しニューデリー駅の様子でも観察してみよう。

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ホームに立って線路を見てみると、明らかに日本の鉄道よりも軌間(左右の線路の幅)が広い。実際に、我々が普段目にするJRの在来線の軌間は1,067(1,065)mmなのに対し、インドの幹線の軌間は1,676mmと結構差があることを後から調べてみて驚いた。上写真の線路上を歩く男性、線路上に捨てられたゴミを集めて歩いているのだろうか、軌間が広い線路上を歩いているので、男性がやけに小さく見える。

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駅の様子を観察したと言っても、ラムさんから遠く離れることはできないので、同じようなアングルでニューデリー駅の様子を見ていた。駅で列車を待つ人も様々だ。ベンチで寛いでいる人や、自分の荷物をまるでベッドや枕のようにして眠っている人、集団で屯している人等。

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先ほど軌間の話をしたけれど、線路上はとにかくゴミが多い。今日一日に観光の途中でも感じていたことだが、街の中でも決してゴミが少ないとは言い難い状況ではあった。「汚い」と言ってしまえばそれまでだし、結局それまでかもしれないけれど、そんな状況から、色んな「異国の情趣」を感じ取ることもできる。

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ラムさん達がいる場所から少し離れたホームの先に、インドの機関車が停車しているのが見えたので少しだけ写真を撮りに行った。形式等の詳しいことは分からないけれど、かっこいい。軌間が広いので車両もでかくて迫力がある。

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これは、電車…なのかな?とりあえず、めちゃくちゃ輌数が長い。急にゴトゴトとホームに滑り込んできたのを撮影したのだけど、最後尾が見えない。あぁもう興味が尽きない。異国の鉄道は面白い。この列車には多くの人が乗車(どの列車もだろうけど)していて、ホームに停車しきる前から多くの人がドアから身を乗り出していた。

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駅の様子を観察したり車両の写真を撮ったりしてラムさん達の元へ戻ると、山本さんが駅の売店でコーラを買っていたので自分も買うことに。何ルピーだったかを山本さんに聞いて売店へ。若い男の子に「コーラ」と言うと渡してくれた。これで寝台列車に乗車中の水分は大丈夫だろう。

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時刻は間もなく17:30になろうとしていた。ニューデリー駅に差し込む西日がますますきつくなってきた頃、超大編成の列車がホームに滑り混んできた。どうやらこれが僕らの乗車する寝台列車らしい。今回のツアーで乗車する寝台は全てエアコン付2段寝台で、事前にチケットを手配し寝台は確保されている(はず)。詳しいことは分からないが、我々が乗車するそういった車両以外にも自由席的な車両も連結されており、そんな車両は列車が入線するやいなや乗客が我先にと乗車していく。車内はとんでもないことになってそうだ。

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(L)自分達の乗る車両の場所へ歩く。(R)他の人も一気に乗車していく。

ラムさんの指示でツアー参加者達は己のスーツケースを転がし、乗車する寝台客車の場所へ向かう。自分達の寝台は事前に確保されているはずだろうけど…乗客が殺到している車両を見ると不安になってくる。もし自分の寝台に10人ぐらいのインド人で埋まっていたらどうしよう?それはそれで面白いけれど…。

ラムさんの手には寝台のチケットのようなものが握りしめられ、それを確認しながら車両の元へ向かった。ニューデリー駅に到着した際にポーター達にスーツケースを運んでもらったが、彼らに運んでもらった場所から大分戻った先に我々の乗る車両があった。これ、一人だったら自分の乗る車両が分からない自信あるなぁ。何はともあれ、ようやく寝台列車に乗車開始。青色に水色のラインの客車。うーむ、ワクワクする。インドの寝台列車紀行が今始まる。

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いざ、乗車開始。

120103-23.jpg寝台の客車に乗り込み、狭い車内の通路をスーツケースを持ち上げつつ転がしつつして進んでいく。先ほど買ったコーラを片手に持っているので、スーツケースを運ぶのがかなりきつい。それでいて車内へ乗りこんでいく様子を写真に撮ろうとするから、自分でも無理があると思う。

車内に乗り込みツアー参加者らはとりあえず空いている寝台に座り、ラムさんが事前に確保している寝台をまず探し始めた。車内は自由席的な車両のような混雑っぷりは皆無で、自分の確保した寝台に乗客全員がきちんと座っている様子だった。とりあえず自分の寝台に見知らぬインド人が10人いる…みたいなことはなさそうで安心。寝台は2段ベッド式。今回のツアー参加者は全員ペアで参加しているので(1組みは1人と1人)、そのペアで寝台の上段下段を確保するのが望ましい。とはいっても他の乗客もいるので全てのペアがそのような形に収まるのは無理で、僕と山本さんは互いに上段の寝台となった。自分の寝台を把握する頃にはすでに列車は動き出しており、列車の走行音の小ささに驚く。

寝台を確保し次にすべきことはスーツケースを下段ベッドの下に入れチェーンで繫ぐことだ。ツアーインフォメーションでも寝台で寝る時は必ずスーツケースをチェーンで括り付け盗難に気を付けてくれと書かれてあったので、事前に100均で自転車用のチェーンを買っておいた。参加者の中にはチェーンを持ってこなかった人もいたようだが、ラムさんがいくつかチェーンを用意していた。そんなわけでスーツケースを下段ベッドの下にある金具にチェーンで括り付ける作業を。この作業が中々厄介で、狭い列車の通路で四苦八苦していると、車内でチャイを売るおじさんや乗客が通路を通ってくる。その度に避け、インド人からの注目を浴びながら何とか施錠完了。18:12頃、ひとまず落ち着く。疲れたー。

チェーンでスーツケースを固定し、貴重品等を入れている手荷物は必ずペアのうち一人が見張ってくださいとラムさんが念押ししていたので、トイレに行く時も山本さんと交代で行った。ひとまず落ち着いたのでトイレに行くことに。山本さんに荷物見といてなと言って、車両の進行方向とは反対側にあるトイレに向かった。

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あわわわわ!トイレ横の列車の扉が開いてる!開いてる!

トイレへ通じるデッキへの扉を開けると、列車の扉が開いていて驚いた。そういえばツアーインフォメーションにこんなことが書いてあったっけ。

「…ドアは走行中でも開いていることが多いので振り落とされないようにご注意ください。」

インフォメーション通りの開きぷりでちょっと笑った。

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(L)僕のベッドの下にはインド人のおばさん。(R)山本さんベッド下段はこんな感じ。

寝るのにはまだ早いので、下段ベッドに座って車窓を楽しむ。楽しむと言っても下段ベッドは他のインド人のベッドなのでかなり気まずい。僕のベッドの下はインド人のおばさんで、すでに寝っ転がっていたから座ろうか迷ったけれど、わざわざ座るスペースを空けてくれたのでありがたく座った。「すみません、ありがとうございます」の意を込めて会釈すると、少し笑ってくれたので安心した。山本さんはというと、彼も下段ベッドに座り疲れ果てた表情をしていた。彼の寝台はボックス席な感じになっており、3人ほどインド人が彼の周辺に座っていた。とりわけその中のインド人の若い女性はずーっと僕らの方を見ており、その視線が結構痛かった(右写真にも写っている彼女。写真でもこっち見てる笑)

スーツケースをチェーンで括りつけている時から何度か見かけたが、車内の通路をチャイ売りのおっさんが何度も通りかかる。その時の「チャイはいりませんか~」的な意味の掛け声が今も耳に焼き付いている。僕ら参加者は買わなかったと思うが、他のインド人の乗客は結構チャイを買っていた。買う人がいると、素晴らしい手捌きでチャイを入れていく。そんな風景を見ているだけで面白い。

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チャイ売りのおっさん。

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インドに足を踏み入れるのは初めてで、もちろん今乗車している線路を走るのも初めてだ。国内でも初めて乗る路線は何となくワクワクするけれど、それが海外ともなれば窓の外の景色に感動し続ける。時刻はすでに18時を過ぎており、車窓は陽がまもなく沈もうとしていた。このブログの紀行文に何度か書いたことだけど、やっぱり旅の夕暮れ時は込み上げてくるものがある。また明日につながるその太陽を見て、まだ見たことのない景色や、過ぎて行った情景を思い起こす。軌道上は夕刻へ。まもなく、@way The India Road.2日目が終わる。

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陽が沈み空が夜の訪れる前に見せるほんのりとした紫色になった頃、車窓の混沌さに驚いた。一体窓の外に何が広がっているのか分からなくなるぐらい、細々とした建築物がひしめいている。すごい。

120103-30.jpgと、ラムさんが「夕食を食べましょう」と呼びに来てくれたので、別の空いている下段ベッドの方に山本さんと行った。そこにはカレーとナン、バナナが用意されており、どうやらこれが今日に夕食らしい。よく考えたらお腹ペコペコだ。さぁ食べよう。

向かいの寝台ではラムさんが見知らぬ男性と喋りながらカレーとナンを食べている。その見知らぬ男性、物凄く賢そうだ。近くでは参加者の女性がいて、ラムさんとも喋りながら夕食を食べた。今思えばここで初めてラムさんの名前を知った。ツアー中ちょくちょく絡んでいたものの、ラムさんとはこの日の夕食でとても距離が近くなったように思う。どういう流れでそうなったか忘れたけれど、ラムさんの電話番号をメモ帳にメモした。

そういえば、今日はシャワーに入ることが出来ない。寝台列車にはもちろんシャワーなど備え付けられていないので、明日のホテルでようやく入れるといった具合だ。今日1日のツアーで汗だくになり、さらに寝台列車の環境も最高とは言えない。それでもツアー参加者の女性達は強いというか、旅慣れているというか。むしろそれを楽しんでいるように感じられたし、海外経験がまだまだな自分にとって、物凄く刺激になった。

お腹が空いていたこともあり、カレーとナンをあっという間に平らげた。ラムさんが食べていたカレーを僕らが食べていたものより辛いらしく、「食べてみる?」と聞いてきたのでせっかくなので食べさせてもらった。めっちゃ辛い!というほどではないけれど、後から来る辛さ。ちょっと大袈裟に辛さに苦しむ顔をしたら、ラムさんは笑っていた。結構笑いのツボが単純なのかもしれない。異国の人間同士で笑うポイントに共通点があるというのは、何だか素晴らしい気がする…かな?

食事の途中ラムさんが、「結婚してからまたインドに来てください!絶対良いから!」と言っていた。その言葉に、やけに自信を感じて、必ず結婚したらまたインドに行こうと思った。

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(L)向かいの寝台で見知らぬ男性と夕食を食べるラムさん。(R)ラムさんが「辛いよ!」という、そんなに辛くないカレー。

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夕食を食べ終え、まだまだ早い時刻だけど自分の寝床へ。山本さんと「今日はぐっすり寝れそうやなぁ」なんて話しながら自分の寝台へ向かうと、山本さんのベッドの上に誰かのパソコンが充電されてあった。持ち主はすぐに引き取りに来たのだけど、山本さんの慌てぶりがかなり面白かった笑。いやー、パソコン置きっぱなしだったら寝てられないもんな。

寝台列車ではシーツや毛布が配布されるはずなのだけど、なぜか自分の寝台には毛布がなかった。別になくても良いかな?と思っていると山本さんが「どうせ使わんから」と、自分の毛布をくれた。毛布というよりカーペットのような質感の毛布を「ありがとう」と言って受け取り、「おやすみ」と言って寝台のカーテンを閉じる。19:35、寝支度は完全に整った。さて寝よう…と早速横になったが、顔面に当たる冷房が結構きつかったので体の向きを変更。そのついでに、今日旅で感じたことをメモ帳に記すことにした。今日感じた、忘れたくない感覚を忘れないために。

明日の朝には新たな街に降り立つ。次なる場所は、ガンジス河の流れるベナレス。まだ見ぬ聖なる河を目指して、僕らを乗せた寝台列車はインドの大地を横断する。

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就寝。おやすみなさい。


| @way The India Road.(11/09/10-17) | 10:50 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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