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@way The India Road.-17 「優しいインド人」

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■@way The India Road.INDEX

[2011/09/10(Sat)]
@way The India Road.-1 「香港経由」
@way The India Road.-2 「クラクションの歓迎」

[2011/09/11(Sun)]
@way The India Road.-3 「誰かの朝へ」
@way The India Road.-4 「塔と門」
@way The India Road.-5 「赤砂岩の砦」
@way The India Road.-6 「チャンドニー・チョウク」
@way The India Road.-7 「裕福なインド人」
@way The India Road.-8 「軌道上は夕刻へ」

[2011/09/12(Mon)]
@way The India Road.-9 「ヒンドスタン平原の朝」
@way The India Road.-10 「映らぬ水面」
@way The India Road.-11 「物売りの少年」
@way The India Road.-12 「月下、始まる祈り」

[2011/09/13(Tue)]
@way The India Road.-13 「ガンガの夜明け、浮かぶ太陽」
@way The India Road.-14 「路地裏に牛」
@way The India Road.-15 「印象-混沌のベナレス-」
@way The India Road.-16 「人力車の冒険」
@way The India Road.-17 「優しいインド人」

[2011/09/14(Wed)]
@way The India Road.-18 「タージ・マハルを見た日」
@way The India Road.-19 「虹」

[2011/09/15(Thu)]
@way The India Road.-20 「ファテープル・シークリーにて」
@way The India Road.-21 「ピンクシティ」
@way The India Road.-22 「象のタクシー」

[2011/09/16(Fri)]
@way The India Road.-23 「風の宮殿」
@way The India Road.-24 「逆走」

[2011/09/17(Sat)]
@way The India Road.-25 「軌道上の灯」


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ホテルまでの道のりを把握した人力車のおじさんは、ようやく快調に人力車を漕ぎ始めた。時刻は間もなく17:50、フリータイム終了まであと10分しかない。とりあえず、確実に集合時刻の18:00は過ぎるだろう。僕の隣で人力車に揺られている山本さんは汗だくでかなり疲れている表情。頑張って!もう少しだから。

人力車に揺られている間、ずっとデジカメで動画を撮った。上の写真やその動画を振り返ってみると、改めて「異国」にたった2人でいたのだなと実感する。結局動画を撮っている間に集合時刻の18:00を過ぎてしまった。ラムさんや他の参加者に迷惑をかけぬよう、早く戻らねば…。空は徐々に橙色に染まってきている。人力車のおじさんは時折立ち漕ぎを交えながら、相変わらず多くの車や人でごった返すベナレスの街を進んでいく。

そんな感じで人力車に揺られていると、ようやくホテルへと続く見覚えのある道を見つけた。が、人力車のおじさんはその道に入らず直進しようとしたので、僕がおじさんの肩を慌てて叩き「こっちこっち」と指差してそっちの方に行かせた。確かこのおじさん、人力車を漕ぐ前に道を確認していたよね?全然分かってなかったみたい…。

そんなわけで18:10頃、無事にホテル前に到着。ホテル前にはOさんが煙草を吸って僕らを待っていてくれた。山本さんが2人分の200ルピーを支払い、ありがとうと言って人力車のおじさんとお別れ。なぜか到着した場所に最初に利用した人力車のおじさんがいて、2人の人力車のおじさんは山本さんが財布から200ルピーを出すところをずっとガン見していた。

ホテルのロビーに向かうとラムさんが出迎えてくれた。他の参加者はすでに集合しており、遅くなってしまい申し訳ない気分。遅くなってごめんなさい。ホテルを出発するまでの間しばし小休止をとり、18:50頃スーツケースを引っ提げてツアーバスに乗り込んだ。その際ホテルの入口前に停めてあった一台のバイクに目がいった。ラムさん曰く警察のバイクらしい。ラムさんは「乗っていいよ。ははは。」と冗談を飛ばしていた。

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(L)ツアーバスに乗り込む。(R)ホテルの入口前に停めてあった警察のバイク。

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BROWNIE RESTAURANT

2日間滞在したホテルを出発し、大混雑のベナレスの大通りを抜けツアーバスは夕食をとるレストランに向かう。大通りを抜けた辺りで急に外の電灯が消えた。そういえばツアーのインフォメーションに「インドでは停電がよくあるので懐中電灯を持参すると便利です」と書かれてあったっけ。

途中でグレードの高いホテルに宿泊する2名の女性参加者を拾い、程なくしてバスはレストランに到着した。昨日の朝、朝食を食べたレストランと同じだ。

120216-6.jpg昨日の朝同様4人掛けのテーブルに僕と山本さん、OさんとOさんの彼女が座った。イケメンのウエイターにドリンクを注文しそれを待つ間、Oさんが「昨夜の”お祈り”ってどうでした?」と聞いてきたので写真を見せた。「もしこの後時間があったら行きたいっすねー」とOさんは言っていた。

注文したラッシーとスープが運ばれてきた頃にラムさんが絡んできて、この後の予定を聞くとともに記念写真を撮ってもらった。ホント、毎回毎回写真を撮っていただきありがとうございます、ラムさん。他の参加者もビールを注文したりで盛り上がっている様子だ。毎度おなじみのカレーも、日に日に仲が良くなっていく参加者同士の食事の場においてさほど気にならなくなってきた。

食事は21:00前まで続いた。そろそろレストランを出発する時間になったのでツアーバスに乗り込む。ここからムガルサライ駅という駅まで向かい、そこから寝台列車に乗る予定。駅まで1時間ほどかかるらしい。あまりに印象深いベナレスとの街もお別れだ。

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バスに乗り込み、いざムガルサライ駅へ。

レストランから駅へ向かう間、若干酔いながらも眠かったので寝た。後ろに座るOさんは、彼女にとあるロックバンドの歌詞を叩き込まれていた。この時、斜め前の席に座る女性の参加者の異常に気付いていたのは山本さんだけだった。

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ムガルサライ駅

21:40頃、ツアーバスはムガルサライ駅に到着。若干酔ったけれど寝たおかげで回復しツアーバスを降りた。ベナレス観光でお世話になった運転手さんとその助手役とはここでお別れ。降車する際にありがとうと告げた。そうそう、運転手さん達に後でチップを払わないと…。他の参加者も順番にバスから降りてきた。相変わらず駅に到着すると赤服のポーター達が集ってくる。どうせまたスーツケースを無理矢理運びチップをせがまれるのだろう。

その時だった。バスから降りようとした一人の女性参加者が急に倒れこんだ。ラムさんが慌てて抱え、その場にいた全員が驚いた。どうやらレストランでビールを飲んだことと、ここまでの運転で激しく酔ってしまったらしい。とりあえずその女性を座らせ、他の参加者が持っていた水やタオルで汗を拭いたりして落ち着いてもらった。とにかツアーに参加していた女性達の素早い介抱と、ラムさんの謎の頭マッサージによって倒れこんだ女性は徐々に落ち着きを取り戻していった。

こんな状況でポーター達が集ってきたらちょっと厄介だな…と思っていたら、集まって来たポーター達は皆倒れこんだ女性に「大丈夫か?」と介抱の手を差しのべているようで、自分達の営利を目的としたスーツケース運びは全く行っていなかった。インドの人々の優しさを垣間見た瞬間。ちょっと忘れられない光景だ。

120216-9.jpg女性達やラムさんが介抱している間、僕や山本さん、Oさんは参加者全員のスーツケースの護衛へ。と、そこへ突如現れたインド人の男性に「中村先生!」と僕は話しかけられた。もちろん僕は「中村」という名字ではないので反応に困ったが、そこに立っていたのは別のツアーの添乗員を務めるインド人のおっちゃんだった。急病者が出た僕たちを見かけてラムさんに声をかけていたらしい。あと、これから乗車する寝台列車がクソ遅れていることも教えてくれた。それなら焦る必要はない。倒れこんだ女性が歩けるようになるまで、ツアーバスを降りた駅前の広場のような場所でしばらく過ごすことに。

スーツケースを護衛しながらOさんの南米バックパックの旅の話を聞いた。僕が「南米ってそんなに治安悪いんですか?」と聞くと、「ボコボコにされた友人もいましたし、俺なんかはマシな方で、駅でバスを待っていた時に急に音がしてそっちの方を向いたんです。その一瞬の隙に荷物を全部持ってかれて笑。それに比べたらインドって思いのほか治安良かったですよ」。南米旅行に興味がある山本さんと、その話をとても興味津々に聞いた。

さっき僕のことを「中村先生!」と呼んできたおっちゃんとも色々喋った。おっちゃんは今回2名の日本人が参加するツアーの添乗員で、かつて神戸大学で講師をしていたらしい。そのおかげで日本語はペラペラでかなり仲良くなり、記念写真も撮ってもらった。おっちゃんもこれから同じ寝台列車に乗るらしい。こんなところでこんな出会いがあるとは。旅って面白過ぎる。

ここで別れるバスの運転手さんにチップを渡しハグをする女性参加者、倒れこんだ女性を介抱するラムさんと、その周りでその状況を見守るポーター達、そして思いがけない出会いに会話が弾む僕たち。排気ガス臭い駅前の広場で夜空を見上げると、若干の星が見受けられた。また新たな旅のエピソードがここで生まれた。

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(L)駅へ入りホームへ。(R)駅のエントランスで待ちまくる人々。

倒れこんだ女性もようやく歩けるまでに回復し、22:20頃僕たち参加者はムガルサライ駅のエントランスへ向かった。何人かの女性参加者はポーター達にスーツケースを運んでもらっていたが、僕や山本さん、Oさんは自分達で運んだ。駅のエントランスには列車を待つ人で溢れ返っている。インドらしい光景だ。

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駅の連絡橋を渡ってホームへ。

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連絡橋からホームを見ると、丁度列車が滑り込んできた。

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22:30頃、遅れている寝台列車がやってくるホームに到着。ホームのベンチに参加者が固まって座った。近くのベンチでは僕を中村先生と呼んだおっちゃん(以下おっちゃん)もいる。どうやら同じ寝台列車に乗るようだ。ラムさんに寝台列車の到着時刻を聞くと、分からないとの回答が。一体いつになったらやってくるのか…ホーム上の熱帯夜はまだまだこれからだった。

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ホームにシートを敷いて眠る夫婦。この後滑り込んできた列車にこの夫婦は乗車していった。

120216-15.jpg僕らが乗る予定の寝台列車は全くやって来る気配がない。近くのベンチに座っていたおっちゃんに声を掛けられ、そっちの方に行くとまた記念写真を撮ることに。おっちゃん曰く、「列車は絶対来るから大丈夫」とのこと。ついでにラムさんも寄ってきて、男同士手を握ったりして暑い夜が余計に暑苦しくなった。

ホームにはシートを敷いてその上で寝ているインド人の夫婦がいたり、ノロノロとゴキブリが動き回っていたり、両手足のない男性がラムさんの方によってきて乞うてきたり。そんな印象的な光景を見つつ、写真を撮りながら暇を潰す。先ほど倒れこんだ女性は、ホーム上にある急病者用の冷房のきいた待合室で休んでいた。その待合室にトイレがあるので、トイレに行った際に「大丈夫ですか?」と声をかけると随分マシになったようだった。いやー、本当によかった。

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ホームにはそれなりの数の列車が滑り込んでくる。牽引機のバリエーションが豊富で興味深い。

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ホームでは時折アナウンスが流れる。全く聞き取れないが、それに伴って流れる効果音が中々面白い。文章じゃ表現しにくいが、何かが登場しそうな音が何度も何度も夜中のホームに響き渡っていた。

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蒸し暑いホームの上で長時間列車を待つのは中々キツイけれど、ここは異国、インド。ただぼんやりとホーム上を観察しているだけでも面白い。ホーム上で撮った写真の枚数の多さから、列車を待った時間の長さを伝えられれば。

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ひたすら列車を待つ。列車はまだ来ない。

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列車が入線してくると、ちょっとした混雑になる。
この蒸し暑い中、車内の様子を想像してみると恐ろしくなる。

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興味深いインドの鉄道車両。ホームに響く渡る謎の効果音を聞きながら、何枚も写真を撮った。

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列車がホームに到着すると車内から何人も乗客が降りてくる。そのタイミングを見計らって物売り屋が集まり、食べ物や飲み物を販売していた。

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この一コマは後にこの旅で印象的なエピソードを生む。本当か嘘かは分からないが。

今回のツアー参加者で勝手な行動が多かった女性、その女性がラムさんやおっちゃんに「パンと飲み物を買ってそこのインド人の男性に与えたい」と言い始めた。画像左には物売り屋さんからパンと飲み物を買うその女性とラムさん達。画面中央やや右寄りに、ホームに座っている乞食(言い方が悪いがご了承を)の男性に買ったパンと飲み物を与える、というのだ。パンと飲み物を買った女性は、何となく警戒しながら乞食の男性にそれを与えた。ホームに転がるパンと飲み物。少し時間が経ってから、その乞食の男性はパンを食べ飲み物を飲み始めた。なぜ参加者の女性はそのようなこと慈愛の手を差しのべたのか。それはまた、別の記事にて。

パンと飲み物を食べつくした乞食の男性は、おもむろに食べカスをホームに投げ捨てた。その後ホームの水道で口をすすぐと、そのままどこかへ消えて行った。

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気が付くともうすでに日付は変わっており、疲労もかなり溜まって来た。ホームでは1台のオートバイがクラクションを鳴らしながら通り過ぎて行った。とても駅のホームで見られる光景じゃない。そんな言い訳も、この国では一切通用しないのだが。

120216-32.jpg時刻はもう1:00を過ぎ始めた頃、インド人のおっちゃんが「列車来たよ」と教えてくれた。長大編成の寝台列車がホームに滑り込んできた。待つこと3時間、ようやく今夜の寝床である寝台列車がやって来た。ホームでの待ち時間もそれなりに面白かったが、この時の安堵感は凄まじく本当にほっとした。

列車に乗り込むとラムさんが早速参加者達の寝台を探す。デリーからベナレスまで乗車した寝台では山本さん共々上段だったけれど、今回は山本さんが下段、僕がその上の寝台で寝ることに。スーツケースを盗難防止のためにチェーンで括りつけ何とか一息ついた。

が、何やらおっちゃんが怒鳴っている。そちらの方を見ると、さっき女性参加者からパンと飲み物をもらった乞食の男性が寝台に乗りこんでいるではないか!もちろん寝台のチケットをもっているわけがない。おっちゃんが「降りろ!」と言わんばかりにその乞食に怒り、その乞食の男性はあきらめて寝台から降りて行った。その時は、降りていったように見えたのだけど…。

1:45頃身支度を整えようやく落ち着いた。あとは寝るだけ。列車は2:00頃動き出し、僕達は次なる目的地「アグラ」へ向けて出発した。明日は何時に着くのだろう…。朝4:30起床、2:00頃就寝という長い一日がようやく終わった。

| @way The India Road.(11/09/10-17) | 20:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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