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@way The India Road.-24 「逆走」

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■@way The India Road.INDEX

[2011/09/10(Sat)]
@way The India Road.-1 「香港経由」
@way The India Road.-2 「クラクションの歓迎」

[2011/09/11(Sun)]
@way The India Road.-3 「誰かの朝へ」
@way The India Road.-4 「塔と門」
@way The India Road.-5 「赤砂岩の砦」
@way The India Road.-6 「チャンドニー・チョウク」
@way The India Road.-7 「裕福なインド人」
@way The India Road.-8 「軌道上は夕刻へ」

[2011/09/12(Mon)]
@way The India Road.-9 「ヒンドスタン平原の朝」
@way The India Road.-10 「映らぬ水面」
@way The India Road.-11 「物売りの少年」
@way The India Road.-12 「月下、始まる祈り」

[2011/09/13(Tue)]
@way The India Road.-13 「ガンガの夜明け、浮かぶ太陽」
@way The India Road.-14 「路地裏に牛」
@way The India Road.-15 「印象-混沌のベナレス-」
@way The India Road.-16 「人力車の冒険」
@way The India Road.-17 「優しいインド人」

[2011/09/14(Wed)]
@way The India Road.-18 「タージ・マハルを見た日」
@way The India Road.-19 「虹」

[2011/09/15(Thu)]
@way The India Road.-20 「ファテープル・シークリーにて」
@way The India Road.-21 「ピンクシティ」
@way The India Road.-22 「象のタクシー」

[2011/09/16(Fri)]
@way The India Road.-23 「風の宮殿」
@way The India Road.-24 「逆走」

[2011/09/17(Sat)]
@way The India Road.-25 「軌道上の灯」


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牛は相変わらず道路を歩いている。少し雨がパラついた曇り空に晴れ間が見え始めていた。時刻は間もなく正午を回ろうとしている。トイレ休憩をとったレストランを出発し、ツアーバスは大型トラックが多い高速道路を走り始めた。

走り始めて暫くの間道路は工事区間が続く。そこを通過していくとやがて街に出た。デリーはまだまだ遠いが、まるでそこであるかのような混雑ぶりの街だ。たまたま撮影したその様子の写真に、交通整理のおじさんの厳めしい表情が写り込んだ。

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正午になり、ツアーバスは街外れのレストランに停車した。どうやら昼食タイムのようだ。まるで高速道路のサービスエリアのような賑わいで、僕らの他に外国人観光客の姿も多数見かけた。4人掛けのテーブルに僕と山本さん、Oさんカップルで座った。

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(L)昼食をとるレストランに到着。(R)これがこの旅最後のカレーとなる。

昼食のカレーを待ちながら、Oさんに本名とパソコンのメールアドレスをここで初めて聞く。お互いにツアー中会話はしていたものの名前はまともに聞いておらず、旅の最終日で初めて名前を知ることとなった。それでも山本さんの場合は僕が常に「山本さん」と呼んでいたので、Oさんは彼の名だけは知っていたが。アドレスを聞いたのでまたOさんに記念写真を送ろう。

10分後、この旅最後のカレーが運ばれてきた。チーズ、豆、野菜のカレーと、細長いパサパサの白飯、そして硬めのナンにヨーグルト。まさかこれほど食べるとは思わなかったカレー。ようやくカレーのトンネルを抜け出した、という気分だ。硬いナンは、ナンそのものにスパイシーな味付けが施されていて美味しかった。もちろん、カレーやヨーグルトにつけて食べると一層美味しい。

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30分ほどの食事タイムも終了しレストランを出る。レストランは道路沿いにあり、これから向かう先の方向を眺める。この先にデリーがある。この先に旅の終わりがある。12時45分、バスは再び走り始めた。

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バスは満員のおじさん達を乗せたオートリキシャーを抜いて行く。

暑い。とにかく暑い。エアコンが壊れたバスの車内は中々辛いものがある。窓が少し開くので10cmほど開けると、砂埃が舞い込んでくるが断然涼しいので我慢するしかない。おかげで顔面はドロドロだ。後からウェットティッシュで顔を拭くと真っ黒になった。

僕の前には山本さんが座っていた。彼の横の窓はなぜか開かないらしく、暑さで中々辛そうだ。僕の後ろではOさんカップルが暑苦しそうに寝ている。他の参加者も同様だ。我らが添乗員のラムさんは、全然平気そうに運転手さんと話している。バスはいつしか渋滞に巻き込まれ、中々進まなくなってしまった。僕も少し眠くなってきた。暑苦しいという感覚も睡魔には勝てないようだ。決して乗り心地がよくないバスの中、僕は目を閉じた。

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バスが快走している感覚に目を覚ました。どうやら1時間は眠っていたらしい。ようやく渋滞を抜けたのか…ふと窓の外を見ると、一瞬目を疑った。なぜか僕の左側の窓の外に中央分離帯があって、その左側には渋滞の列が見えている。それを見下すかのように僕らを乗せたバスはビュンビュン追い抜いているではないか。

中央分離帯?バスの前方からやってきたトラックとすれ違った時、ようやく状況が飲み込めた。僕らが乗るこのツアーバスは、反対車線を逆走していたのだ。渋滞があまりに酷く、このままでは飛行機に遅れてしまう…そういった判断のためらしい。この逆走現象は渋滞が発生すると自然に起こるのか、逆走する車はごく当たり前のように走っていた。中央分離帯を越えればさらに先に進めるが、それができない車は渋滞に巻き込まれる一方だ。インドという国を、また改めて知った。

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徐々にデリーが近くなっていることは、時折目にする道路標示で理解できた。そのせいか殺風景な風景から街の雑踏が続くようになってきている。昨夜の雨の影響だろうか、道路沿いはやけに大きな水たまりができていた。まるで川のようになっている。ぼんやりとその光景を眺めていると、一匹の犬の死体が水たまりの傍に横たわっていた。

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時刻は間もなく15時を回ろうとしていた。道路は完全に整備された高速道路にかわり、ツアーバスは道路標示のデリーの方向へ向けて快走していた。ラムさんが、「デリーまでもうすぐです。到着したらまず紅茶のお店に行きます。お土産をぜひ買ってください。」と言った。あとわずかだが、少しばかりインドを観光できそうだ。

高速道路ではもちろんオートバイも駆け抜ける。インドの高速道路では350cc以上なら通行可能だそうだが、この時はまるで原付のようなスクーターが走っているのを見かけた。後から調べて見ると、スクーターなら100cc-150cc以上の場合に限り通行可能だそうだ。

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デリーはもう目の前だ。空港の表示が何とも切ない。

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料金所らしき場所を抜け、バスは高速道路をおりた。信号が存在する交差点がいかにも都市部らしい。デリーから始まったこの旅も、ベナレス、アグラ、ジャイプールと駆け廻り、再びデリーの地に戻って来た。相変わらず人や車、オートバイで溢れ返っている。

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信号や高架橋に都市っぽいなぁ…と思っている矢先のこの街並み。さすが。

ジャイプールからおよそ6時間、現在時刻は16時を回っていた。ツアーバスはデリーの紅茶のお店に到着。長時間暑苦しいバスの移動は中々堪えた。さて、バスをおりて紅茶でも物色しようか…と思ったその時、とNさんの「やってもーた!」という叫び声が聞こえそちらの方に目をやる。どうやらiPhoneを落としてしまい画面が割れてしまったようだ。その後ラムさんがやたらとその壊れたiPhoneを欲しがっていた。

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(L)THE ORGANIC TEA SHOPに到着。(R)店員さんから色々と説明を受ける。

とりあえずトイレに行きたかったので、同じように今にも漏れそうなOさんと共にトイレを探した。「ここや!」とOさんは紅茶屋さんの隣にある一般家庭のトイレにダダダッ!と突っ込んでいた。僕もそこに入ろうとしたらラムさんに「そこはダメ」と止められた。

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(L)お店でいただいた、この旅最後の「チャイ」。(R)購入した紅茶。

何とか用を足し、紅茶の店員さんから商品について色々と説明を受ける。説明を受けながら店員さんにもらったチャイを飲む。この旅最後のチャイ。この独特の風味は一生忘れることができないだろう。チャイを飲んでいる姿をラムさんに写真を撮ってもらった。その写真に写り込んだOさんの変顔を見てラムさんは爆笑していた。

折角の良い機会なので、アッサムティーとダージリンティーをそれぞれ1パックずつ買った。アッサムティーはストレートで苦く、ダージリンティーはストレートで甘いらしい。それぞれ250ルピーだった。他の参加者の方々もお土産用に詰め合わせセットのようなものを買っていた。

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紅茶のお店の前は、まるで池のような水たまりが。

30分ほど紅茶のお店を見て、その後「近くのスーパーでお土産を見に行きましょう」とラムさんが僕たちを先導する。紅茶のお店の前にはまるで池のような水たまりができていた。

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相変わらずこの魅力的なスクーターは至る所で見かける。

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ラムさんに付いて行く。生活感溢れる通りを歩く。

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一軒のスーパーに到着した。店内に入ると、これまで歩いてきた生活感溢れる雑然とした通りの風景が嘘のように、普通のスーパーマーケットで少し驚く。店内には留学生だか旅行者だかの日本人っぽい人もいた。

店内の棚には興味深いお菓子や調味料、野菜や米が並べられている。異国のスーパーマーケットというのも非常に興味深い。僕はここで行きの飛行機で食べたスパイシーなお菓子を買おうと探したが良いものが見つからず、何も買わずにお店を出た。この旅で数々の逸話を残したNさんは大量にお土産を購入していた。

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雑然とした生活感溢れる通り。道の傍らに停められたボロボロのスクーター。ボコボコの路面に溜まる雨水。ツアーバスに乗り込み、身を持って知るインドの町に別れを告げた。

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(L)寺院か遺跡か。窓の外は常に興味深いものが目に入る。(R)デリー・メトロも見かけた。

時刻は17時。ツアーバスはクラクションを鳴らしながら、デリーの街を進んでいく。ところどころで見かける寺院のような建物。2002年に開業したデリー・メトロの高架区間も見かけた。地下鉄だが僕が見かけた高架区間のように、地上区間や高架橋が多い「地下鉄」らしい。

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フェンダーに「DELHI POLICE」と書かれたRoyal Enfieldのバイク。
混沌の街並みを駆け抜けて行った。

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ひしめき合う二輪と人。クラクションを鳴らしながらツアーバスは進んでいく。

時間帯が時間帯だけに、道路は物凄い混みっぷりだ。突如右側から僕らが乗るツアーバスと同じようなバスが抜きにきた。そのことに熱くなった運転手は、抜かせまいと言わんばかりに加速する。そんなちょっとしたバトルが繰り広げられながら、ツアーバスは空港へ向かう。

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車線が多くなった。混沌の街並みを完全に抜け、バスはターミナルへと向かう道路を駆け抜けていた。時刻は間もなく18時。舗装路に変わった道路と西日に、旅の終わりを実感する。

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インディラ・ガンディー国際空港に到着。ツアーバスは停車し、冷房が壊れた車内では疲労と安堵の空気が流れた。ここでラムさんが12日にベナレスで参加した「プージャ」のオプショナルツアー代を回収。一人2300ルピーと中々高いが、あの時の経験は一生忘れることはないだろうから良しとしよう。

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(L)ターミナルに到着しツアーバスを下りる。(R)バスの屋根から降ろされた荷物達。

120527-37.jpgバスの運転手さんにチップとして300ルピーを渡し、さらにラムさんに2030ルピーを渡した。ラムさんは「私にあげたいと思うだけのお金で結構ですから…」と、チップを無理矢理請求するようなことはしなかった。そこへ山本さんがありったけのインドルピーをラムさんに渡すと、喜んでくれるかと思いきや「何これ?」と逆に不審げに思われたらしい。まぁそれも、この旅で本当にお世話になった添乗員ラムさんへの感謝の気持ちとして、僕らのチップを受け取ってもらった。

そんなやり取りの間にバスの屋根からスーツケースが降ろされていた。僕や山本さん、様々な逸話を残したKさんとそのお友達が乗る飛行機は23時25分発でまだまだ余裕があるが、ここでグレードの高いホテルに宿泊してきた2人の女性参加者とお別れ。残された6人は、ひとまずターミナル内へ入る。僕らと同じように、これから帰国するであろうバックパックを背負った日本人の女性グループを見かけた。

立派な髭を生やしたイスラム風の男たちの横でひとまず待機。一週間インドを旅し、次第に帰国するという実感が湧いてくる。一息つきながら、ラムさんに「ネパールのパスポートです。ネパール国籍も持ってるんです」と、ネパールのパスポートを見せてもらった。パスポートには子供の写真が挟んであり、どうやら親戚の子供らしい。

しばらくして僕らと違う飛行機で帰国するOさんカップルがチェックインのためカウンターに向かった。僕やNさんに「お幸せに」と見送られながら、Oさんカップルはカウンターの方へ歩いて行った。

Nさんにカメラを渡され、ラムさんと写真を撮ってくれと頼まれた。写真を撮ってあげた後、僕らも記念写真をお願いした。ラムさんを真ん中にして、僕と山本さんとで写る。このツアーでお世話になったラムさん。思えば出会ったのは一週間前のこの空港で、この人のお陰でこの旅を面白いと思えたし、またインドという国を旅してみたいとも思った。

「また来てください~!」 

笑顔が素敵なラムさんに見送られ、僕と山本さん、Kさんとそのお友達はチェックインカウンターに向かった。

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ラムさんとの記念写真。またお会いしましょう。

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(L)チェックインし、受け取った帰りの航空券。(R)電光掲示板で搭乗口を確認…。

早速エアインディアのチェックインカウンターで手続きを行う。そこに出入国カード記入スペースああったので記入する。山本さんが予め用意してくれていた、「地球の歩き方」の出入国カードの書き方のコピーが役立った。僕らだけでなくKさんや他の日本人にも「見せてもらっていいですか?」と聞かれ大活躍だった。

搭乗する便は関西空港行きエアインディアAI314便。手際の悪いチェックインカウンターと出国手続きを突破し、搭乗口を電光掲示板で確認してからそこへ向かう。

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(L)搭乗口までの長い通路。(R)途中にあったショップでお菓子と飲み物、お土産を購入した。

搭乗口に向かう長い廊下を歩く。搭乗口に着くと、何人かの日本人がイスに腰掛けフライトを待っていた。その中にNさんとそのお友達がおり、Nさんは本を読み、その隣でももたれかかるようにお友達は寝ていた。一週間前インドにやって来た際に一緒の飛行機に乗った同い年ぐらいの女性グループもまた同じ飛行機みたいだ。彼女たちも一週間インドを旅してきたということだろう。

少し小腹が空いたので、お菓子とマンゴージュースを近くにあったショップで買う。ついでにバイト先へのお土産も。パッケージにタージマハルやオートリキシャーなんかが写っている、丁度お土産には打ってつけの一品だ。

120527-43.jpg時刻は22時を回り、ようやく搭乗が始まった。手荷物を持ちイスから立ち上がる。飛行機の方へと向かうスロープを下ると、厳ついインド人の係員に止められた。どうやら手荷物にタグが付いていないのが問題らしい。僕はすぐさま日本を出発する前に受け取ったタグをバックから引っ張り出し、それを手荷物に取り付けるとOKをもらった。

が、山本さんとNさんはタグがなく、係員に「お前らちょっと待て」と待たされ、山本さんを待とうとした僕に対しては「You go」と言われ機内に向かわされた。それからしばらくして山本さんも機内に到着。「荷物の中身確認されてようやく解放されたわ…」と彼は疲れた表情でそう語った。

すぐに睡魔に襲われ眠りについた。気が付くとすでに、インドという国を飛び立っていた。

| @way The India Road.(11/09/10-17) | 18:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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