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@way The Portugal Road.-04 「テージョ川の風と広場の像」

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■@way The Portugal Road.INDEX

@way The Portugal Road.-01 prologue

[2012/03/01(THU)]
@way The Portugal Road.-02 「一人の旅」

[2012/03/02(FRI)]
@way The Portugal Road.-03 「始まる」
@way The Portugal Road.-04 「テージョ川の風と広場の像」


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(L)Aerobus(空港バス)のチケット。(R)Linha 1(ルート1)の車内。空港から市内へ向かう人で混み合う。

9:00頃Linha 1を走る空港バスがやって来た。やって来たはいいが、空港のバス停は混み合っており、しかもきちんと列になって待つなんて雰囲気がなかったものだから乗車時は一苦労した。当然僕は座席に座れず、バスの前の方に立つことになったが、目の前に荷物を置けるスペースがあったので助かる。この先僕はカイス・ド・ソドレ駅までバスで向かい、鉄道に乗り換えてベレンを観光する予定。ただ単にそれだけのことだが、不安材料はいくつもある。駅で荷物を預けるロッカーはあるのか?切符は上手く手に入るか?目的の駅で降りることができるのか?その駅で停車する電車に乗れるのか?そもそもこのバスから駅の停留所できちんと下車できるか?…自由気ままな旅のはずだが、心配事は尽きない。ほどなくしてバスは動き出した。街の景色や道路を走る車を見て、次第にヨーロッパに来たという実感が湧いてきた。とにかく不安な気持ちでいっぱいだけれど、興奮もしてきた。

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今僕はヨーロッパにいる。街並みがとにかく美しい。

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ポンバル侯爵広場を通過。ガイドブックによると、この辺りはビジネス街のようだ。

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どこをどう切り取っても絵になる街の風景。街路樹の枯れ具合が旅情を感じさせる。

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(L)突如現れたリスボン市電!うわわわ!(R)バスの前をトコトコ走る市電。とうとうこんな世界に迷い込んでしまった。

空港を出発しリスボンの美しい街並みを行くこと30分、リスボンのヘソでもあるロシオ広場辺りに到着した。ここでほとんどの乗客は下車して行き、車内は随分ゆったりとした空間に変わった。下車予定のカイス・ド・ソドレ駅ももうすぐだろうから、車内の案内表示とアナウンスに注意を払う。

気が付くとリスボン市電と並走していた。黄色い車体のチンチン電車。ポルトガルを訪れた理由として、やはりこの市電に揺られたいということもあった。憧れのチンチン電車が今僕の目の前を走っている。興奮せざるを得ないではないか。どうやら今市電の路面軌道を走行しているらしい。美しいヨーロッパの街並みにレトロなチンチン電車。もう何から手を付けていいか分からなくなってきた。

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リスボン市電の路面軌道。石畳との組み合わせが素晴らしい。

121022-10.jpg問題なく下車予定のカイス・ド・ソドレ駅で下りることができた。車内アナウンスも駅名だけなら聞き取れないこともなかったし、なんせ車内に停留所の名前が表示されるので全く無知な僕でもちゃんと目的地にたどり着けた。ちなみにガイドブックには空港からここまでの所要時間は約30分から40分と書かれてあったが、今回は50分ほどかかった。

バスを降りるとそこは未知の世界。これから旅をするんだってのに何不安がってんだよ…と自分に言いたくなるほど色々と不安だ。とにかく進むしかない。カイス・ド・ソドレ駅の方へ、石畳の道路を歩いて行く。

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カイス・ド・ソドレ駅

カイス・ド・ソドレ駅から電車に乗り、3駅先のベレンまで行く予定。駅構内に入るとホームに停車する黄色い電車が見えた。異国の鉄道情趣に酔いしれたいところだが実際は心の余裕があまりない。とりあえず重たいバックパックをベンチに降ろし、この先の段取りを考える。

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(L)ずっしりと思いバックパックを降ろす。(R)切符を買うべく窓口へ。

ベレン観光はほとんど歩くことになるだろうし各観光名所に立ち入ることになるので、重たいバックパックは駅のコインロッカーに置くつもりだった。ところがロッカーらしきものが見当たらない。重たいバックパックを背負って階段を降りて地下にいったが見つからず、また重たいバックパックを背負って階段を上って…何も分からずウロウロしている自分が虚しくなってきた。

結局ロッカーを見つけることができず、諦めて切符を買いに窓口へ向かう。自動券売機らしきものもあったが買い方がまるで分からず、仕方なく行列ができていた窓口に並んだ。さて、窓口の行列に並んでみたものの駅員から切符を買うことができるだろうか。情けない話だがポルトガル語はおろか英語もまともに話せないので、「地球の歩き方 トラベル会話 ポルトガル語」に載っていたチケット購入メモをフル活用することに。ちなみにこの会話本、英語も掲載されているのでかなり役立った。

ようやく自分の番が来て、何となく愛想のない男性駅員にチケット購入メモを提示する。「ん。」と言ってメモをさし出す自分…ほとほと語学力が無くその程度のコミュニケーションしか図れない自分に呆れる。男性駅員はそのメモを見てガイドブックで見覚えのあるチャージ式のチケットを手渡してくれた。「Viva Viagem(ヴィヴァ・ヴィアジェン)」と呼ばれるチケットで、チャージすれば今から乗るポルトガル鉄道(近郊列車のみ)の他に地下鉄や市電、バスなどにも使える。最初に発券した際に€0.50必要だがその後1年間有効。チャージ式のチケットでICチップが埋め込まれているが、日本のICOCAやSUICAとは比べ物にならないぐらい薄い。例えて言うなら「地球の歩き方」の表紙ぐらいの厚さだ。

何とかベレンまで行けるチケットを入手できたので改札をくぐりホームへ向かうことに。改札口から駅のホームが見え、何編成か黄色い電車が停車している。異国の鉄道が目の前に…一体どの電車に乗ればいいのか分からないが、とりあえず興奮してきた。先ほど購入したViva Viagemを自動改札の読み取り機に「ピッ」とタッチ。ガシャンと改札口の扉が開き、僕はホームへ繰り出した。

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ホームに停車するポルトガル鉄道の黄色い電車。

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とりあえず電車の落書きっぷりには驚く。

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3編成の並びも。ただただ黄色い電車、そして落書き。

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(L)購入したViva Viagem。(R)ホームに辿り着いたものの、一体どの電車に乗りゃぁいいの?

ホームに辿り着いたものの一体どの電車に乗ればいいのか分からない。今いるカイス・ド・ソドレ駅は終着駅で、真っすぐ3駅ほど進めばベレン駅に着くはず。が、この電車が普通列車か快速列車かなんて全く分からず、もしかするとベレンには停車しないかもしれない。ホームのベンチにバックパックを降ろした。全く分からない言葉が流れる電光表示に目をやる。…んー、全く分からん。

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カイス・ド・ソドレ駅のベンチにバックパックを降ろし、乗るべき電車を模索。

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カイス・ド・ソドレ駅から乗車した電車

とりあえず今すぐに発車しそうな電車に乗ってみることにした。何となくだが電光表示に「ベレン(Belem)」の文字を見たような…。とにかく進もう。焦る旅でもないけど、進まなければ意味がない。一番後ろ車両に乗り込む。それなりの乗車率だが空席もちらほら見受けられる。黄色い電車の「近郊・通勤列車」的な外観から車内はロングシートかと思いきや、思いっきりクロスシート。僕は座席に座らず、ドア付近にバックパックを置いて立つことにした。3駅ほどで着くはずだが、「Belem」の文字を見逃さないようにしないと。

ほどなくして電車のドアが閉まり、黄色い電車は出発した。ポルトガルでの鉄道の旅が始まった。

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車内はクロスシートでそれなりの乗車率。程なくして電車は出発した。

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(L)電車hテージョ川沿いを進んでいく。(R)テージョ川に架かる4月25日橋。

タタンタタンと黄色い電車は軽快にテージョ川沿いを進んでいく。テージョ川に架かる4月25日橋、風景がまるでJR神戸線の舞子辺りの明石海峡大橋だ。もうすぐ正午の太陽が眩しい。逆光だがテージョ川対岸の巨大なキリスト像「クリスト・レイ」が見える。今僕はポルトガルにいるのだなと実感する。カイス・ド・ソドレ駅を出発して10分も経たないうちにベレン駅に到着した。何人かの男女の若いグループに続き、僕はベレン駅に降り立った。

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ベレン駅

テージョ川を吹き抜ける風が心地よい。想像以上に簡素な駅の雰囲気のベレン駅。駅の両側を道路が挟んでおり、ホームから階段を上り歩道橋を渡って観光ポイントへ向かう。改札機は特に無かったがチケットの読み取り機だけあり、前を歩く人がタッチしていたので僕も出札する気持ちでタッチした。階段を上り道路を跨ぐ歩道橋を歩く。結構高さがあり普通に怖い。早く渡りきろう。

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(L)前を歩くグループに続きホームを歩く。(R)道路を跨ぐ歩道橋を渡る。結構高さがありちょっとびびる。

121022-28.jpgガイドブックの地図によると、ベレン駅を出て少し西に向かうとまず「発見のモニュメント」があるらしい。前を歩いていた男女のグループもてっきりそちらに向かうと思いきや、途中で逆方向に進んでいった。どうやらこの辺りは港らしいから、フェリーに乗って対岸にでも行くのだろうか。

テクテクとテージョ川沿いの港を歩く。吹き抜けるテージョ川の風と匂い、肌寒いがバックパックの重さで体は熱い。港に停まる欧州車、テージョ川に架かる4月25日橋。ポルトガルまで来てしまった。まだ旅は始まったばかりだけど、こんなに遠くに来てしまって、なのに空や空気は何一つ日本と変わらない。不安と寂しさは増すばかりだ。

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港の歩道に描かれた面白い絵。こういう遊び心に目を向ける余裕はまだある。この時はまだ。

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港を歩いて行くと、前方に「発見のモニュメント」が見えてきた。ガイドブックで見たあの造形が目の前に。それにも感動だが、今目の前に停車しているVWの赤い車のオンボロ具合にそそられる。車内にちょっと不機嫌そうなおじさんが乗っていた。

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4月25日橋とFordの小さな車。車体の模様がお洒落だなぁ、と思いながら撮った一枚。ヨットハーバーの周りをぐるりと歩きようやく発見のモニュメントの目の前まで辿り着いた。さぁ、観光開始だ。

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発見のモニュメント

大航海時代を切り開いた偉人たちが刻まれた発見のモニュメントは、1960年にエンリケ航海王子の500回忌を記念して造られたモニュメントだそうだ。刻まれた偉人達の先頭に立つのは、大海へ乗り出すカラベル船の模型を持つエンリケ王子。その後ろにはアフォンソ5世やヴァスコ・ダ・ガマ、マゼラン、ザビエルといった偉人が続く。

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エンリケ王子を先頭に、偉人達が刻まれている。大迫力だ。

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(L)モニュメントの前は広場になっており、世界地図が刻まれている。(R)発見のモニュメントと4月25日橋。

モニュメント前には広場があり、そこには大理石のモザイクで世界地図と各地の発見年号が記されている。もちろん日本を発見した年号も刻まれていて、ポルトガル船が豊後に漂着した1541年が記されていた。

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発見のモニュメントも見終えさらに西に進んでいく。古そうな灯台の向こうに、この旅最初の世界遺産である「ベレンの塔」が見えていた。

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ヨットハーバーを歩いていると目に入った軌道。ヨット運搬用の軌道だろうか、その雰囲気に思わず写真を撮ってしまう。

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ポルトガル・リスボン 世界遺産「ベレンの塔」

目の前に見えているのは世界遺産で、僕にとってたった一人で初めて辿り着いた異国の世界遺産だ。1520年に完成したというベレンの塔。素晴らしい。

121022-40.jpgベレンの塔をバックに多くの観光客が写真を撮っていた。その中に中世の騎士っぽい人がポーズを決めていて、観光客と一緒に写真に写っていた。どうやらそういう商売らしかった。クソでかいバックパックを背負ってこんなところにやって来ているのは僕ぐらいだ。ベレンの塔が建つテージョ川の砂浜に立ち、三脚を使って記念撮影を。そうして撮れた写真がこの記事のトップ写真だ。バックパックを背負ってここまでやってきた価値が滲み出た一枚になった。自己満足だけど、バックパッカーって感じで。

さぁて、ベレンの塔の観光開始。

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近くでみるとその造形に圧倒される。ガイドブックによると、マヌエル1世の命によって1515年に着工され、1520年に完成した。テージョ川を行き交う船を監視し、河口を守る要塞として造られたそうだ。後には船の通関手続きを行う税関や灯台としても使われたそう。

塔の中に入るとチケット売り場があった。ガイドブックには学割で€2になると書かれてあったので、事前に国際学生証を用意しておいた。チケット売り場でそれを提示したが「無理無理、ポルトガルの学生した学割きかねーよ」と言われ、通常料金の€5を支払いチケットを購入。可笑しいな?と思いながらも塔の観光を始めようとしたその時、いきなりおじさんに声を掛けられ、全く意味が分からなかったのでスルーしようとしたら半ギレされながらチケットを奪われた。どうやらチケットの受付係のおじさんだったらしく、てっきり理不尽にチケットを奪う輩かと思って警戒しまくっていた。勘違いも甚だしく、相手の言っていることが分からなくとも雰囲気すら感じ取れない自分がとても恥ずかし過ぎて穴があったら入りたい心境だった。それに、でっかいバックパックを背負って狭い塔内の階段を上る自分の姿があまりに滑稽に思え、楽しそうに観光する若い人たちのグループを見ていると虚しさが一気に込み上げてきた。それでも、とにかく入ったのだから観光しなければ。

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マヌエル様式のテラス

ベレンの塔にはマヌエル様式の美しいテラスがある。この美しいテラスを持つベレンの塔を、かの司馬遼太郎は貴婦人がドレスの裾を広げている姿にたとえ「テージョ川の貴婦人」と表現したとガイドブックに書かれてあった。本当に素晴らしい。

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塔の中は狭い箇所がいくつもある。その狭い空間を抜けテージョ川を見渡した時の解放感は清々しい。

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(L)世界遺産とあって観光客の姿は多い。(R)テージョ川を見る。塔からの眺めは最高だ。

恥ずかしさと虚しさ、バックパックの重さでゆっくりと観光するゆとりはあまりないが、せっかく来たのだから…と割り切って三脚で記念撮影をちょこちょこ塔内で実践してみた。1人で三脚を立ててセルフタイマーで写真を撮るのだがこれがまた虚しく、若いカップルがセルフタイマーの途中でその前を横切り、彼女側が気付いて彼氏に注意をしていた。そうして撮った写真に写る僕の目は、面白いぐらい笑っていない。

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大砲。ベレンの塔が「要塞」であったことを再認識する。

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テラスから塔の南壁面を見る。3階部分にはマヌエル1世の紋章が施されている。

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ベレンの塔からの眺め。テージョ川の風を感じるのには最高の場所だ。

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(L)ベレンの塔の観光を終え、思わず座りこむ。(R)次なる場所へ…

相変わらず塔の前では中世の騎士がポーズを決めて記念撮影を引き受けている。ベレンの塔の観光を終え、目の前の公園広場にあったベンチで一息つく。体力をそぎ落とすバックパックが憎いが、何も考えず荷物を詰め、駅でロッカーを見つけられなかった自分のアホさにため息が出る。今している「旅」が自分の求めていた「旅」なのか?そんな不毛なことばかり考えてしまう。

発見のモニュメント、そしてベレンの塔と観光してきたが、ベレンにはもう1つ訪問予定の場所があった。それが世界遺産せもあるジェロニモス修道院だ。ベレンの塔とは道路を挟んで反対側にあり、既にその素晴らしい姿は少し見えていた。バックパックを再び背負い。ずっしりと重みが体にのしかかる。ふと今まで腰掛けていたベンチに目をやると、何やら文字が刻まれていた。写真だけ撮り、特に気にも留めず公園広場を歩き始めた。

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(L)道路の反対側へ行くべく歩道橋を渡る。(R)歩道橋の下は線路と道路。もし崩落したら…と考えると本気で怖い。

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びくびくしながら歩道橋を渡り終えると、思わず迷い込みたくなるような街並みが広がっていた。橙色の屋根、落書きされた壁面。思わずボロボロのベンチに腰掛け、落書きされた壁面を背景に記念撮影。とそこへ1人のおばさんに「Japanese?」と笑いながら声を掛けられた。僕も笑いながら「イエ~ス」と簡単に返事をした。少しだけ旅へのアクセルが踏めた。

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オンボロのベンチに腰掛け写真を撮っていると、おばさんに声を掛けられた。

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路地裏へ迷い込んでみる。

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ピンク色の壁面がお洒落。欧州車が並ぶ路地裏はしんと静まり返っている。

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しんと静まり返った路地裏はその土地特有の生活感が溢れていて、世界遺産なんかの有名スポットよりも、重たいバックパックを背負った僕は溶け込めるような気がした。「やりたい旅」ってそういうスタイルで…それは分かっているけれど、折角来たのだから世界遺産も見ないとダメだろ?という葛藤が始まる。

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路地裏を抜け大通りへ。ジェロニモス修道院へ向かう道を歩く。

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ベラルド美術館の旗がなびく。気が付くと雲行きが怪しくなってきた。

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インペリオ広場

時刻は間もなく12:30になろうとしていた。ジェロニモス修道院前のインペリオ広場に到着。自分自身の心境を表すかのように、曇り空が目立ち始めていた。

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ベージュ色のベンツのタクシーが客待ちをする。ジェロニモス修道院の入口に辿り着いた。

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ポルトガル・リスボン 世界遺産「ジェロニモス修道院」

ベレン地区のシンボルでありポルトガルの黄金期を象徴するその見事な外観。マヌエル様式を代表する壮麗な修道院が今目の前にある。ガイドブックや旅行会社の説明会での映像で見た憧れの世界遺産が今目の前に。感動した。だがそこには、大勢の観光客、中には日本人と思しき姿もあり、クソでかいバックパックを背負った僕の姿はここにあってはならないものに思え、修道院内を観光もせずにその場を立ち去った。

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彫刻が繊細で本当に素晴らしい。写真を少しばかり撮り、すぐにその場を立ち去った。

ヨタヨタと元来た道を歩き、倒れこむように広場のベンチに座りこんだ。その広場は人気が無く丁度良かった。

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何してんだろ?本気でそう思った。あと2週間も旅の期間はあるというのに、もう嫌気がさして仕方が無かった。もうこれ以上進みたくない。バスや電車の移動も面倒で、チケットの手配も言葉も分からないのにできるわけない。野垂れ死にたくないから、適当に食べ物を掻き入れながら2週間空港の近いリスボンでダラダラと、無難に過ごすか…。夢に描いていたバックパックの旅とか、自由気ままな旅なんて自分には出来やしないって!


本気でそう考えた。日本に帰りたくて帰りたくて、もうあとは無難に日本に帰れればそれでいいやと。けれど、広場の像がそれをさせなかった。本気で僕にあきらめるなと言われた気がした。

アフォンソ・デ・アルブケルケ広場の、頭に鳥がとまっているおじいちゃんの像。広場の像がくれた勇気。バックパックを少し調整して、僕はまた歩を進める。少しだけ、晴れ間が回復していた。

| @way The Portugal Road.(12/03/01-16) | 23:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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