PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

@way The Portugal Road.-06 「坂道軌道」

121210-1.jpg


■@way The Portugal Road.INDEX

@way The Portugal Road.-01 prologue

[2012/03/01(THU)]
@way The Portugal Road.-02 「一人の旅」

[2012/03/02(FRI)]
@way The Portugal Road.-03 「始まる」
@way The Portugal Road.-04 「テージョ川の風と広場の像」
@way The Portugal Road.-05 「グロボ」
@way The Portugal Road.-06 「坂道軌道」


坂道軌道。坂道の多いリスボンの旧市街にて活躍するビッカのケーブルカーを堪能、時刻は間もなく15:30になろうとしていた。ケーブルカーはあと2路線存在し、是非とも見ておきたいがその前に腹ごしらえを。朝に機内食を食べて以来、リスボンに到着してからは持参したお菓子しか口にしていない。丁度良くガイドブックにも掲載されているレストランがビッカのケーブルカー近くにあったので行ってみることにした。

121210-2.jpg
Casa da India

Casa da Indiaというお店で、入店すると結構混み合っていた。テーブル席では4~5人ぐらいのグループが食事をしており、カウンター席では日本人らしき男性がカレーを食べている。特にその人とは目も合うこともなく、僕もカウンター席に座った。お店の眼鏡を掛けた髭のおじさんが寄ってくる。さて、何を食べようか。言うまでもなくメニューを見てもさっぱり分からない。ふと、戸井十月氏の『道、果てるまで』に書かれていた檀一雄氏の『漂蕩の自由』の一節を思い出す。

「世界のあちこちの町をうろつく時に、その町の食べ物を食べ、その町の飲み物を飲んでなかったら、旅の意味が薄れるだろう。(中略) さて、何語でも構わない、アレとか、コレとか、云っているうちに、先方は喰べさせてやりたい一心だから、大抵、一番売れている食べものを出してくれる。 出してくれなければ、少々行儀が悪くても、隣の人や、あっちの人が食べているうまそうなものを、指さして、店のオヤジに頼んでみるがよい」

今まさに自分がそんな旅の中にいて、不思議な気持ちになる。『漂蕩の自由』のように誰かが食べている食べ物を指差さなかったが、メニューを見て適当に指差して料理をお願いした。値段は€8.00と書かれてある。一体何が運ばれてくるのだろう。10分も経たないうちにその料理が運ばれてきた。

え、何これ。

121210-3.jpg
タラコ料理

正直料理が運ばれてきた時は、浮き出た血管にポカーンとなった。た、タラコか?おじさんが料理と一緒に塩を持ってきてくれたので、それを少々ふりかけて食べてみる。うん、美味しい!タラコはもちろん、ほくほくのジャガイモやブロッコリー、人参がグッド。意外にボリュームもあってお腹も満たされた。

121210-4.jpg

レストランを出発し残り2路線のケーブルカーへと出かけることに。レストランの前は市電28番が走っており、それに乗り降りする人達、並走する車で道路はかなり賑わっている。旧市街を走るレトロな路面電車、なんて素敵な街なんだろう。

121210-5.jpg
旧市街の街並みを縫うように走る市電の軌道。

121210-6.jpg
かわいいデザインの標識。歩行者横断注意の標識かな。男の子が女の子の手を引いている。

121210-7.jpg
レトロな路面電車が旧市街を行く。

121210-8.jpg

市電28番の軌道に沿いながら、グロリアのケーブルカーを目指してテクテク歩く。地図を見ると、方角的に今夜泊るグロボの方向だ。宿を目指して歩いてきた道を引き返すようにケーブルカーを目指す。

121210-9.jpg
歩いているだけでも、とても楽しい。旧市街の街並みに、今どこをどう歩いているのか分からなくなってくる。

121210-10.jpg 121210-11.jpg
(L)グロボ付近まで戻って来た。(R)ここから少し東に歩いたところに、グロリアのケーブルカーはある。

121210-12.jpg
ケーブルカー グロリア線

グロボから少し東に進むと車の通りが多い道路があり、そこを渡るとケーブルカー グロリア線の停留所があった。ビッカのケーブルカーとはまた異なる形のケーブルカーで興味深い。相変わらず車体に落書きが多いが、黄色と白のツートンカラーがかわいい。3路線のケーブルカー全てに言えることだが、距離は短いが無いと困る存在なのがこれらのケーブルカーだ。上るのには中々キツイ坂道を走っている。観光資源でもあるが、市民の足でもあるのだ。

121210-13.jpg

このグロリア線に乗って下っていけばリベルダーデ通りに出られる。そこからもう1つのケーブルカー ラヴラ線はすぐなので、ひとまずグロリア線に乗車することに。チケットは空港バスの乗車券で、当日限りだが乗り放題となる。ケーブルカーの運転手さんにバスの乗車券を見せると日付だけまじまじと確認され、ケーブルカーに乗車した。

車内には子供を連れたお母さん達が乗っており、とても楽しそう。カメラを持っているから観光客なのかな。子供が可愛くてちょっと癒される。ほどなくしてケーブルカーはゴトゴトと動き出した。

121210-14.jpg
乗客を待つ運転手さん。

121210-15.jpg
木製の座席が車内に温かみを生む。レトロな車内は、まるで一時代前にタイムスリップしたような感覚に浸れる。

ギシギシとレールに車輪が擦れる音が響く。窓の外に見える壁には落書きが多い。途中下から上ってくるケーブルカーと行き違いをし、ほどなくして下の停留所に到着した。

121210-16.jpg
こうして見ると、ビッカのケーブルカーとはまるで違う構造に驚く。

乗車時間は3分もないかも。子連れのお母さん達が降車するのを待って、一番最後にケーブルカーを降りた。降り立った先にはリベルダーデ通りという大通りがあり、その通りの真ん中にはレスタウラドーレス広場がある。広場を挟んで反対側にあるケーブルカー ラヴラ線を目指す。

121210-17.jpg
レスタウラドーレス広場

ガイドブックによると、レスタウラドーレスとは「復興者」という意味らしい。16世紀末からスペインに支配されていたが、1640年についに蜂起し再独立を勝ちとった。広場中央には勝利と独立の精神を表す、高さ30mのオベリスクがそびえ立っている。

121210-18.jpg

レスタウラドーレス広場を経由してリベルダーデ通りを渡る。通りの真ん中に広場があるので信号機と横断歩道が多い。ケーブルカー ラヴラ線を目指して東に進んでいく。

121210-19.jpg

石畳を歩く。この先の道を左に曲がるとケーブルカーのラヴラ線があるはず。右に曲がるとお洒落なカフェがたくさん並んでいた。旧市街の道路の脇に停車するVWゴルフが良い感じ。

121210-20.jpg 121210-21.jpg
(L)石畳の路地を行く。(R)テクテク歩くと、ケーブルカーのラヴラ線があった。

地図通り歩いて行くと、ケーブルカー ラヴラ線を見つけることができた。建物と建物の間からひょっこりと顔を覗かせるケーブルカー。3路線あるケーブルカーの中で最も落書きが少なく、そして人が少ない。観光スポットの中心から離れているせいだからだろうか。

121210-22.jpg
ケーブルカー ラブラ線

落書きがないと、黄色の表面積の広さに驚く。ケーブルカーにうっとりしていると、ゴミ箱を運びながら坂道を上って行く男性がいた。ゴロゴロと車輪付きのゴミ箱を運んで行く男性。運転手以外乗客のいないラヴラのケーブルカーに僕は乗り込んだ。

121210-23.jpg

ゴトゴトと急な坂道を上って行く。坂道の旧市街にて、活躍を続けるリスボンのケーブルカーに心底惚れる。ラヴラ線もあっという間に坂道の上の停留所に辿り着いた。

121210-24.jpg
ラヴラ線の上側停留所に到着。ひっそりと静かな場所だ。

121210-24-2.jpg
ラヴラ線の上側停留所

これまで3路線のケーブルカーを見てきたが、ラヴラ線にて初めてまともな停留所を見た。ほとんどの路線では乗り降りする場所は決まっていても停留所のような設備は一切なかった。ところがラヴラ線の上側停留所には簡素なホームと駅舎のような設備が整っている。

ケーブルカーを降りると、ひっそりと静かな街の空間がそこにあった。ガイドブックによると、日本ともゆかりが深いポルトガルの作家モエラスの生家があるらしい。少しばかり歩いてみることにする。

121210-25.jpg
ひっそりとした住宅街に、列を成して停まる車達。ポルトガルでよく見かけた街の光景だ。

121210-26.jpg

121210-27.jpg

時刻は間もなく17:00になろうとしていた。結局モエラスの生家がどこにあるか分からず、ラヴラ線を歩いて下ることに。地図を確認すると階段でラヴラ線の中腹まで行けるようなので、その階段を歩いてみることに。

121210-28.jpg
階段を下る。途中ベンチがあり、少し休憩。ふと見た住宅のベランダ、観葉植物の間から犬が顔を覗かせていた。

121210-29.jpg
階段をさらに下るとラヴラ線に突き当たる。丁度良くケーブルカーが下って来た。

121210-30.jpg
石畳に浮かぶケーブルカーの複雑な軌道。

121210-31.jpg

ラヴラ線を下りきると、眩しい太陽に照らされたケーブルカーが停車していた。ほんのわずかな時間だったが、とても贅沢な時間の使い方だった。午後、坂道を上るケーブルカーに揺られ、ひっそりとした旧市街を歩く。そこは、とてもゆったりとした時間が流れていた。

121210-32.jpg
ケーブルカーを下から覗きこんでみる。古風な構造が堪らない。

121210-33.jpg
ラヴラ線の旅も終り再びレスタウラドーレス広場の方向へ歩く。

121210-34.jpg
リベルダーデ通りへ。

121210-35.jpg
いくつもある信号と横断歩道。これらを渡りロシオ駅の方へ進む。

121210-36.jpg

ロシオ駅の方向へ進んでいくと、地下鉄のレスタウラドーレス駅の入口があった。頭の中で思い描いている旅程では明日朝から地下鉄で移動する予定なので、軽く地下鉄の駅に行き改札口や切符売り場を確認しておく。ポルトガル鉄道のベレンまで行くのに随分と苦労したViva Viagemへのチャージをまた乗り越えなければならない。まー何とかなるでしょう。

121210-37.jpg

ロシオ駅の近くは大勢の人で賑わっており、車の通りも多い。落葉した街路樹の雰囲気が最高だ。リスボンの旧市街によく似合う。

121210-38.jpg 121210-39.jpg
(L)ロシオ駅。多くの人で賑わっている。(R)ロシオ駅、ロシオ広場を通り過ぎカルモ通りを歩く。

121210-40.jpg

マヌエル様式の美しい駅舎を持つロシオ駅。僕がこの駅を利用するのはもう少し先の話で、今日はとりあえずその前を通り過ぎてカルモ通りを進む。この先にはリスボンの旧市街を一望できるサンタ・ジュスタのエレベーターがあるらしく、ケーブルカー同様空港バスのチケットで当日限りではあるが乗ることができるので行ってみることにした。

少しばかり上り坂のカルモ通りを歩いていると、連絡橋のようなものが見えてきた。どうやら辺りがエレベーターのある場所らしい。

121210-41.jpg
サンタ・ジュスタのエレベーター

バイシャ地区のランドマーク、サンタ・ジュスタのエレベーター。高さ45mの巨大な鉄塔の内部を、クラシックなエレベーターが上り下りする。ガイドブックにそう書かれていたが、とにかく渋い。こんなにレトロなエレベーター、見たことがない。早速乗ってみることに。既にエレベーター待ちの行列ができていた。

121210-42.jpg 121210-43.jpg
(L)エレベーター待ちの列に並ぶ。(R)レトロなエレベーターで展望台へ。エレベーター内部は結構広い。

121210-44.jpg

エレベーターを降りると、リスボン旧市街を一望できる場所に出た。西日に染まるリスボンの旧市街。サン・ジョルジェ城やテージョ川も見える。ふとよく読んでいる旅系ブログで、知らない街に行ったのならまず高い場所へ、なんて一節を思い出す。

エレベーターを降りた場所は、景色は良いが安全柵が張られており、さらにもう1つ上に本当の展望台があるようだった。が、どうやらそこに行くにはいくらか払わなければならないらしく、ここからの景色だけで満足しておくことに。柵の間から写真を撮っていると、エレベーターで働くにーちゃん達に「こっちからの景色も良いよ!」みたいな感じでやたらと声を掛けられた。それがやや強制的だったので早々にエレベーターを降りることに。実際何て言っていたのか分からないけれど、まぁいいや。

121210-45.jpg
旧市街を一望する。知らない街に行けばまず…高い所へ行こう。

121210-46.jpg

エレベーター観光を終えオウロ通りを歩きロシオ駅の方へ戻る。時刻は間もなく18:00。そろそろ宿へと戻ろうか。この辺りではちょっと怪しげな男性に多々声を掛けられる。ポルトガルに辿り着いて初日ということもあり、警戒心もあってさっさと宿に戻ることにした。情けない話だが。

121210-47.jpg
ロシオ広場付近にて。靴磨き、旧市街。

121210-48.jpg
マヌエル様式のロシオ駅。僕はこの駅を利用し、旅の"最終目的地"へと赴く。それはまた別の項にて。

121210-49.jpg

グロボへと戻るべくケーブルカー グロリア線に…乗ろうとしたらケーブルカーが出発していった。仕方無く歩いて急な坂道を上る。ほとほとケーブルカーの重要性を認識させられる。グロリア線の中腹まで上った頃だ。ちょっと興奮する光景に出会った。

121210-50.jpg
グロリア線 ケーブルカー同士の並び

ケーブルカーの行き違いポイントでなんと2輌のケーブルカーが並んでいるではないか。おほー、これは結構興奮する。

121210-51.jpg

乗客も乗せていなかったので今日の運行は終了したのかな?と思いきや、程なくしてまた動き出した。ちょっとした休憩タイムなのだろうか、中々良いものを見ることが出来た。

121210-52.jpg
再び動き出したケーブルカーは上側の停留所に辿り着く。

121210-53.jpg

ベビーカーを乗せるお父さんと、子供を抱えるお母さん。この街に欠かせない存在のケーブルカーを堪能することができた。僕はグロリア線のケーブルカーの写真を何枚か撮った後、グロボに向かった。

121210-54.jpg

沈みかけの太陽の西日が、旧市街の建物の間から差し込み眩しい。それでも光が差し込まぬ箇所は薄暗く、黒人っぽい男性に何の用事か分からないが話しかけられたので自然と足早になる。グロボまでもう少しだ。

121210-55.jpg
旧市街に良く似合うブルーのベスパ。ピカピカだ。

121210-56.jpg

18:10過ぎ、グロボに到着。まだまだ動ける時間だが、早々にベッドに横になった。グロボの狭い一室にて、ふとこの先のことを考える。

どこからか聞こえるテレビの音。トイレを流す度に聞こえてくる排水管の音。まだまだ旅は始まったばかりだ。明日僕はまた生きられるだろか?そんな情けないことを、異国の小さな宿の一室で考えていた。

| @way The Portugal Road.(12/03/01-16) | 23:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT















非公開コメント

TRACKBACK URL

http://kokohazi.blog45.fc2.com/tb.php/538-a32682f3

TRACKBACK

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。