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@way The Portugal Road.-07 「レスタウラドーレスからメトロに乗って」

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■@way The Portugal Road.INDEX

@way The Portugal Road.-01 prologue

[2012/03/01(THU)]
@way The Portugal Road.-02 「一人の旅」

[2012/03/02(FRI)]
@way The Portugal Road.-03 「始まる」
@way The Portugal Road.-04 「テージョ川の風と広場の像」
@way The Portugal Road.-05 「グロボ」
@way The Portugal Road.-06 「坂道軌道」

[2012/03/03(SAT)]
@way The Portugal Road.-07 「レスタウラドーレスからメトロに乗って」


2012年3月3日(土)

夜中に何度も目を覚ました。頭の中は不安だらけで…もし今日道に迷ったら?病気になったら?…もし死んだら?
どこからか聞こえてくるテレビの音や、排水管を流れる水の音。グロボの狭い一室で夜を明かし、5:20頃起床した。

カメラや携帯電話の充電器を片づけてバックパックの整理。家族や相方のことを考えると涙が止まらなくなった。涙が眼鏡のレンズに落ちる。iPodで音楽を聴いて気持ちを落ち着かせる。髭を剃り、今日は眼鏡を変えよう。もう涙でレンズを汚さぬように。

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「オブリガード(ありがとう)」と宿のおばさんに告げてグロボを出発した。時刻は6:40過ぎ。ポルトガルの朝はまだまだ薄暗く、中々寒い。朝早くから街を歩く人達の防寒ぶりには驚くが、この程度の寒さなら全然平気。着込んでいるとはいえ、春っぽいアウターでも凌げる寒さだ。

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朝、リスボンの旧市街を歩いてメトロの駅へと向かう。温もりを纏う街灯が良い雰囲気だ。

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(L)冷え込む朝と、街路樹。(R)レトロな車に橙色の街灯がよく似合う。

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ケーブルカー・グロリア線の上側駅からサン・ジョルジェ城のライトアップが見える。もうすぐ今日一日の陽が昇る。

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メトロの駅レスタウラドーレスへ向かうべく、ケーブルカー・グロリア線の軌道を下る。改めて思うがなかなかきつい坂道だ。上側の駅にケーブルカーが停車していないので「あれ?」と思いつつ軌道を下っていくと、軌道の中間地点に2輌のケーブルカーが並んでいた。

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車内の明かりを点けたまま停車するケーブルカー。乗務員も見当たらない。

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(L)軌道をさらに下っていく。徐々に空が明るくなってきた。(R)軌道の終点。リベルダーデ通りに出る。

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朝のレスタウラドーレス広場。メトロの駅であるレスタウラドーレス駅はこのすぐ近くで、昨日この辺りを歩いた時に駅の場所を確認しておいた。メトロ駅の入口前にはホテルがあり、朝早くから多くの人で賑わっていた。何かイベントでもあるのだろうか。そんな人達を横目に、僕は人気のないメトロの地下世界へと引きずりこまれていく。

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(L)レスタウラドーレス駅の券売機。(R)何とかホームに到着。電車を待つ。

財布から「Viva Viagem(ヴィヴァ・ヴィアジェン)」を取り出し、ガイドブック片手にチャージを試みる。リスボンのメトロ料金はゾーン制で、「Coroa L」と「Coroa 1」のふたつのゾーンに分かれている。「Coroa L」内だけの移動なら1ゾーンで、「Coroa 1」にもまたがる場合2ゾーンとなる。今回目指す駅は「Coroa L」内のカンポ・グランデ駅なので1ゾーンの料金となる…はずだが、ガイドブックに書かれている1ゾーンの料金と、券売機に表示されている料金が違う。駅員さんがいるはずの窓口は閉まっており誰にも聞くことが出来ない。とりあえず分かる範囲で画面の文字を解読し何とかチャージを完了させ、無事に改札を通ることができた。後は無事に改札を抜けられるかどうかだ。

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レスタウラドーレス駅

ホームのベンチに腰掛け、電車が到着するのを待つ。ホームには良い雰囲気の音楽が流れている。シックな雰囲気の音楽で、朝のメトロの駅によく似合う。バックパックをベンチに立てかけ、異国のホームで電車を待つこの今の雰囲気によく似合う音楽だ。旅情を感じる。

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(L)7:10頃メトロがやってきた。行き先をよく確認して乗りこむ。(R)乗客は少ない。

レスタウラドーレス駅からメトロに乗り、2駅先のマルケス・デ・ポンバル駅で地下鉄イエローラインに乗り換える。そこから6駅先のカンポ・グランデ駅で下車、バスに乗って新たな街へ向かう予定だ。電車の行き先表示をよく確認した後車内に乗り込む。乗客は少ないが、乗り換える駅はすぐなので席には座らない。車内には駅の名前が表示されるし、車内案内放送もあるので分かりやすかった。心配性+知識のない僕でもガイドブック片手に問題なくマルケス・デ・ポンバル駅に到着。レスタウラドーレスから3分ほどだ。

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マルケス・デ・ポンバル駅

地下鉄ブルーラインからイエローラインに乗り換える。案内表示が分かりやすく、乗り換えもスムーズに進んだ。相変わらず人気の少ないメトロの駅を歩く。3分ほど歩いてイエローラインのホームに到着した。

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(L)ブルーラインからイエローラインに乗り換える。(R)イエローラインのホームに到着。

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異国のホームにて電車を待つ。旅をしている実感が湧いてくる。

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(L)イエローラインも同じタイプの電車だ。(R)再びメトロに乗る。

マルケス・デ・ポンバル駅のベンチで待つこと8分、ブルーラインと同様のタイプの電車がホームに滑りこんできた。ホームの案内表示に「Odivelas」の文字が表示されている。イエローラインの終着駅で、この方向に進めばカンポ・グランデ駅に辿り着く。カラフルなマフラーを巻いた黒人の女性に続き、車内に乗り込んだ。

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この路線もまた乗客が少ない。

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カンポ・グランデ駅

マルケス・デ・ポンバル駅から10分ほどでカンポ・グランデ駅に到着した。いつのまにか地上に出ており、カンポ・グランデ駅は高架駅だった。向かいのホームにはこれから仕事へ向かうであろう人達が電車を待っている。僕はこの駅からバスに乗り、新たな街を目指す。

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改札は無事開いた。この時の安堵感は中々のもので、僕は無事に歩を進めることができたわけだ。改札を抜けると各行きのバス停へと向かう通路が伸びていた。僕がここから乗るバスはTejo社のオビドス行き。ガイドブックにも南側の出口を出て左へ…なんて書かれているが全く分からない。とりあえず高架駅から地上に下りることに。カンポ・グランデ駅周辺の町は、まだ朝だからか静かでマンションが多い。

121230-26.jpg…全く分からなかった。オビドス行きのバス停がどこにあるのか、しばらくウロウロするが全く分からない。さすがに自分では解決できそうになかったので、駅前のバス停にいたバスの運転手さんにガイドブックの「オビドス」のページを見せて教えてもらうことに。英語もまともに話せないのでそんな方法しかない自分に呆れつつも聞くしかない。運転手のおじさんはわざわざ運転席から外に出てきて、バスにドアをロックすると「あっちの方だよ」と指差し何かを説明してくれるが全く分からず、そんな僕を見かねてわざわざバス停の方まで連れて行ってくれた。

おじさんにオブリガードとお礼を言い、おじさんはまたバスの方へと歩いていった。辿り着いたバス停には3パターンほどの時刻表が貼られていて、その中のObidosの文字を見つけてひとまず安心。本当にありがとう、運転手のおじさん。

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Tejo社バス オビドス行きのバス停

一安心してバス停のベンチに座る。そういえば日本とは車線が逆だなと思い出し、それならばバスの乗り口も反対になるなと、座っていた位置を変える。時刻は7:45、差し込む朝日が随分と清々しい。時刻表を見ると8:15発のバスがあるのでそれを待つことに。

それにしても僕以外全く乗客が集まってこない。途中少なくともポルトガル人ではない、むしろ日本人っぽい男性がバスの時刻表を二度確認しに来た。おかしいな?と思いつつ僕も再び時刻表を見る。よく見ると時刻表の下側に「sabado,domingo,feriado(土曜日、日曜日、祝日)」と書かれており休日ダイヤが掲載されていた。よくよく考えてみれば今日は土曜日だ。となると、バスの時間は9:30だった。うわー、まだまだ来ないやん。

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というわけでカンポ・グランデ駅まで戻り、トイレでも探すことに。落書きの多い連絡通路を歩く。全くの無計画紀行が生んだ自由な時間。まぁいいじゃないか、こういう旅も。

駅の方に戻ると、朝食を食べている警察官を見かけた。そういえばお腹も空いている。結局トイレは見つけられなかったが、パン屋さんを見つけたので何か買うことにした。

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(L)カンポ・グランデ駅のパン屋さん。(R)チョコパンを購入。美味すぎ。

パン屋の女性の店員さんに、ショーケースに並べられたパンの中からチョコパンを指差して出してもらう。多分€1.25ほどで、お金を払って再びバス停の方へ。バス停のベンチに腰を下ろし、早速そのパンを食べる。美味しすぎて泣きそうになった。

チョコパンを食べる直前、犬の散歩をしていたおじさんに「バスは9:30だよ」と声を掛けられた。オブリガード、と僕が言うとおじさんは犬を連れてバス停前のマンションに消えて行った。その短い会話の間、僕はおじさんの犬にズボンを舐められた。

次第に乗客が集まって来た。その中には同い年ぐらいの日本人っぽい女性2人組みもいて、どうやらここポルトガルに留学しているっぽかった。話しかけたわけでもないけれど、何となくそんな気がした。9:10頃、オビドスへと向かうバスが到着。バスが来た時の安堵感も、無事に改札を抜けられた時と似ている。

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Tejo社 オビドス、カルダス・ダ・ライーニャ行きのバス

バスの行き先表示は原始的なもので、行き先が書かれたパネルを運転手のおじさんが手で反対にするだけだった。そのパネルを見るとオビドスに向かうのはもちろん、さらにその先のカルダス・ダ・ライーニャという町が終点らしい。ガイドブックにも掲載されている町で、そこからオビドスも近いのでバスに乗って終点まで行くことに。バスに乗るまできちんとした計画は立てていない。それが今回の旅だ。

行き先表示のパネルの向きを変え、運転手のおじさんはどこかへ行ってしまったがすぐにまた戻って来た。すぐにトランクが開いて荷物の積み込みが始まったのだが、その際運転手さんに「行き先は?」と聞かれた。終点のカルダス・ダ・ライーニャまで何駅か停まるので、後に下りる乗客の荷物ほどトランクの奥に入れなければならないので聞いてきたのだろう。ところがその時僕は運転手さんに何を聞かれているのか全く分からずテンパっていると、他の乗客に「オビドス?どこで下車する?」と教えられた。そこで、あ、行き先を聞かれているのかと気が付いたが、運転手さんはあきれて行き先構わず僕のバックパックをトランクの奥に放り込んだ。恥ずかしいやら情けないやらで、もう穴があったら入りたい心境だったが、とにかくバスに乗車できた。僕はまた前へ進むことができる。

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9:30頃、バスはほぼ定刻通り発車した。終点のカルダス・ダ・ライーニャには10:45頃到着予定で、およそ1時間15分ほどのバスの旅。さぁ行こう。

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(L)スタジアム?の横を通り過ぎて…(R)高速道路っぽい道路へ入る。

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バスは快調に進む。高速道路っぽい道路では3車線ほどあり、それぞれの車線で速度が決められている。例えば走行車線は60k/mや80k/mで、追い越し車線は100k/mという具合に。異国の交通ルールも興味深い。

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(L)山ではよく見かける風力発電。(R)途中停車したBombarralという町。

進めば進むほど車窓は山や長閑な畑の風景が多くなってきた。長閑な景色の中に、ポツポツと点在する橙色の家々。10:20頃、Bombarralという町に到着。町の至るところが工事中のような雰囲気で、砕かれた瓦礫のせいか町全体が白く見える。

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(L)オビドスの町に到着。(R)長い水道橋。

Bombarralの町から10分ほどでオビドスに到着した。城壁に囲まれたオビドスの町は、ガイドブックで見て是非行ってみたいと思っていた町だがその訪問は後に回し、終点のカルダス・ダ・ライーニャを目指す。オビドスではカンポ・グランデ駅から乗車していた日本人っぽい女性2人組みが下りていった。下車する際の様子がかなり慌てていたので、到着していたことにしばらく気が付かなかったのかな。

オビドスからカルダス・ダ・ライーニャまでバスで10分ほど。オビドスを出発し、長い長い水道橋をくぐりほどなくしてカルダス・ダ・ライーニャのバスターミタルに到着した。

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カルダス・ダ・ライーニャのバスターミタル

10:50頃、バスがやけに狭い道路を走っているなと思いきや、運転手さんは巧みにハンドルを切って屋根付きのバスターミナルにバスを滑り込ませた。カルダス・ダ・ライーニャに到着。僕は新しい町にやってきた。ガイドブックで言うと、リスボン編からエストレマドゥーラとリバテージョ編に突入した感じ。掃除中っぽいバスターミナルのトイレで用を足し、早速今夜の宿を探しに町へ出た。

| @way The Portugal Road.(12/03/01-16) | 17:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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