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@way The Portugal Road.-10 「箱庭の町」

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■@way The Portugal Road.INDEX

@way The Portugal Road.-01 prologue

[2012/03/01(THU)]
@way The Portugal Road.-02 「一人の旅」

[2012/03/02(FRI)]
@way The Portugal Road.-03 「始まる」
@way The Portugal Road.-04 「テージョ川の風と広場の像」
@way The Portugal Road.-05 「グロボ」
@way The Portugal Road.-06 「坂道軌道」

[2012/03/03(SAT)]
@way The Portugal Road.-07 「レスタウラドーレスからメトロに乗って」
@way The Portugal Road.-08 「パンとチーズとオレンジ」
@way The Portugal Road.-09 「歩いてく」
@way The Portugal Road.-10 「箱庭の町」


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ガイドブックの地図を見るかぎり町の南側の城壁沿いを歩いており、時刻的には西日ではないが太陽が白く反射した少し雲の多い空、つまり西側に向かって歩を進めると観光客の多い通りに出た。屋台のようなお店が軒を連ね、ちょっとしたお祭りの雰囲気が漂っている。「箱庭の町『オビドス』」にようやく辿り着いた。

早速西門「ポルタ・ダ・ヴィラ」を潜り「箱庭の町」へ身を投じる。その門の前にちょっとした人だかりが出来ていたので何事かと目をやると、茶色に塗られた女性の像が立っていた。よくよく見てみるとどうやら本物の女性を茶色に塗りたくった「像になった本物の人」だった。上と下の画像を見比べてみて下さい。

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茶色に塗りたくられた女性。なぜ茶色なのか、この後理由が分かった。

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(L)西門前の通りに軒を連ねる屋台。(R)南門内ではガイドブックと同じ位置に同じおばちゃんがいた。

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ガイドブックでは西門は「おとぎの国への入口」の記載されており、門の内側を覆うアズレージョは18世紀のものだと言う。そんな歴史の重みよりも驚いたのが、ガイドブックの門内の写真と全く同じ位置に縫い物をするおばあちゃんがまさに今目の前で黙々と縫い物をしていたこと。実際にガイドブックに写る人と同一人物であるか分からないし、いつ撮影されたものかも分からないけれど…「景色」はともかく「人」まで掲載されている写真と同じだと心底驚いた。

後々写真でよく見てみると、縫ったものは5〜15€ほどで販売されていた。この時目の前を通り過ぎた時はお客さんは全くおらず、険しい表情で黙々と作業していたけれど、帰り際に通りかかった時は2人の女性客に囲まれていた。

門を潜ると黄色や青に塗られた壁の可愛らしい家々が立ち並ぶ「箱庭の町」がそこにあった。町を横断するディレイタ通りに入ろうと、ふと壁際のマップに目が行った。それにはオビドスのマップだったが、「10th FESTIVAL INTERNATIONAL DE CHOCOLATE」と表記されたイベントのガイドマップのようだった。帰国して調べてみると、毎年3月にこの町でチョコレートフェスティバルなるものが開催されており、今年(当時2012年)は丁度10回目を迎える記念すべき年でもあったようだ。さっき門の前にいた全身茶色の女性もどうやら「チョコ一色」ということだったらしく、この町全体がチョコレートで盛り上がるイベントらしい。

ガイドマップにはディズニーのロゴも入っており、そういえばミッキーの形をした風船を持っている人がいたなぁ…と思い出す。町自体を観光するのは無料だが、フェスティバル自体は有料らしく入場料を支払って入る場所も見受けられた。リスボン近郊とあって、地元の家族連れやカップルが多い。それでもリスボンの世界遺産のような「ここは観光地です」という息の詰まるような雰囲気は無かった。

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ディレイタ通り

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チョコカップ入りのジンジャを飲ませてくれたお店

ディレイタ通りはお土産屋さんの他、「ジンジャ」と呼ばれるサクランボを漬け込んだ果実酒をチョコカップに入れて飲ませてくれるお店がある。1カップ1€ほどで飲ませてくれるらしく、折角なので飲みたいなぁとウロウロするがどのお店も結構人だかりが出来ていた。そんな中、カフェのようなお店の前に簡単な台を置いてカップを出すお店を発見。赤いエプロンの女性が切り盛りしており、メガネをかけた女性と立ち話をしていた。僕が1€コインを差し出すと、台に置かれたチョコカップにジンジャを入れてくれた。どのお店も結構真剣に接客していたけれど、ここは何だかゆるい感じだった。お店の女性にカメラを向けると、笑顔でポーズまで決めてくれた。そういえば現地の人をまともに撮ったのがこの時が初めて。思い出の一枚となった。

チョコカップのジンジャをくいっといただき、残りのチョコカップも美味しくいただいた。

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(L)チョコカップ入りの地元酒「ジンジャ」。(R)ディレイタ通りのお店の壁にはやはりアズレージョ。

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(L)色とりどりのお土産が並ぶ。(R)可愛らしいカップも。お土産選びは後にしよう。

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サンタ・マリア広場

ディレイタ通りを東に行くとサンタ・マリア教会がある広場に出た。どうやらオビドス中央部のサンタ・マリア広場らしく、教会前の支柱には若い女の子達が腰掛けていた。この支柱、「ペロリーニョ」と呼ばれる15世紀に建てられ「罪人のさらし柱」だったらしく、罪人は見せしめのためカゴに入れられこの支柱に吊り下げられたらしい。

特に教会内を見ることもなく北東、つまりスタート地点の西門を左端とするなら町の右端へ向かって歩いていくと、オビドス駅へと抜けられる城壁の出入り口へ到着した。ガイドブックによるとオビドス駅は畑の中にある無人駅らしく、どのような雰囲気が気になったが、線路を見渡せる小高い城壁の出入り口からは確認することができず、迷子になっても困るので再び城壁の中に戻った。チョコレートフェスティバルで賑わう城内を一歩出ると畑がひたすら広がっていた。

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畑の中、線路が伸びる。風が吹き抜けていく、少し小高い城壁の外。

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(L)無性に寂しい気持ちになってくる城壁の外の風景。(R)…城内に戻ろう。

オビドスを囲う城壁は全長1.5km程らしく40分もあれば一周できてしまうらしかった。折角なので城壁でも散歩してみようかと、スタート地点である西門の方へ裏道っぽい路地を通って戻る。

石畳の上でくつろぐ黒猫。黄色と白の可愛らしい家。窓と電灯がとてもおしゃれで、家の前に咲くピンクの花がまた良い雰囲気だ。気がつくと西門まで戻ってきており、門の上に上がれる階段があったので登ってみると城壁の散策コースに繋がっていた。時刻は15:00過ぎだった。

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石畳と黒猫。

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行きのディレイタ通りとは違う裏通りを通って西門まで戻る。

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可愛らしい家。夜、電灯がどう光るのか見てみたい。

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(L)西門に戻ってきた。門の上に上がれそうだ。(R)階段を上る。門の上だけでなく、城壁へも続いている。

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西門の中を覗き込むと、さっきの縫い物のおばあちゃんがお客さん2人の相手をしていた。
門内のアズレージョも美しい。


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「箱庭の町」を西門上から見渡す。

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城壁散歩開始。

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外側はもちろん壁があり問題ないけれど、内側は柵も何もなく結構怖い。

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路地に駐車された車。観光地化された町にも、ところどころ生活感が漂う。

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30分程城壁を歩き、西門まで戻ってきた。

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3度目の登場、縫い物のおばあちゃん。今も元気かなぁ。

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改めて西門内側のアズレージョを。

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再び登場、全身チョコレート塗装の女性。ずっと立ちっぱなしなので大変!

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町を出る前に適当にお土産を物色。
カバン(12.50€)、栓抜き(4.00€)、地図(5.00€)を購入した。


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というわけでオビドス観光も終わり。時刻は間もなく16:00になろうとしていた。
この後は宿のあるカルダス・ダ・ライーニャまで徒歩で戻る。またあの長い道のりを…

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ひとたび城外へ出ると、ひっそりとした町並みが広がる。

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オシャレな首輪を付けた黒猫。軒先の石臼みたいな岩の上でごろごろしていた。
うちの飼い猫は元気かなぁ。


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およそ1時間の道のりを再び歩く。
少し薄暗くなった空。ポジションランプを点灯した車が走り抜けていく。


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オビドスから歩くこと1時間、見覚えのあるドン・カルロス1世公園の森が右手に見えてきた。カルダス・ダ・ライーニャの町まで戻ってこれた。あー、往復して足がや、やばい。よくよく考えてみると今日食べたものは今朝カンポ・グランデ駅で買ったパンと、朝市で買った美味しくないパンひとかじり、それと先ほどのジンジャ入りのチョコカップだけだった。言葉が通じないなんて言ってられないぐらいお腹が空いた。ガイドブックでカルダス・ダ・ライーニャのレストランを調べてみると、「10月5日広場」に「ア・ミモーザ」というレストランがあるようだ。落書きだらけの広場へと続く路地を歩いて行くと、文字通り広場があった。あった!緑色の看板に「RESTAURANTE MIOSA」と書かれている。とりあえず入ってみよう。

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(L)落書きらだけの路地を抜けると…(R)10月5日広場に出た。えーっとレストランは…と…

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カルダス・ダ・ライーニャのレストラン「ア・ミモーザ」

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(L)お客さんは誰もおらず、一見開店前のよう。
(R)家族で切り盛りしているのかな。おばあちゃんはずっとテレビの前のテーブルで雑誌を読んでいた。

時刻は17:00を回ったところで、夕食時にはまだ早いのか他に食事をしているお客さんは一切いなかった。それどころか開店前の雰囲気で、僕が店内に入ると少し驚かれた顔をされた。

とはいうものの他のテーブルには「予約席」的なプレートも置いてあり、営業している(もしくは開始前)雰囲気だったので早速ガイドブックの魚料理のページにあった「バカリャウ・コジード」というタラ料理を指差してみた。エプロンを付けたお母さんは一旦僕のガイドブックを持っていきお父さんともう一人の私服の女性に「作れる?」的な相談をしている。どうやらOKっぽく、僕にガイドブックを返してくれた後、早速お父さんは店内奥の厨房へ調理に取り掛かった。

ここまで順調に注文(言葉を巧みに話したわけではないけれど…)できるとは思わなかったので、私服の女性にビールも注文。おばあちゃんは異国の人間に一切目をやることなく、テレビの前のテーブルでずっと雑誌を読んでいた。ちなみにテレビにはさっきまでいたオビドスで行われているライブ映像が放送されていた。さすがのチョコレートフェスティバル。テレビ放映されるほど一大イベントなんだなぁ。

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タラ料理「バカリャウ・コジード」

15分ほどでほくほくのタラ料理「バカリャウ・コジード」が運ばれてきた。ほぼ同時にビールも運ばれてきて、「SAGRES」というブランドのビールで読み方を私服の女性に教えてもらった。

僕はお酒を飲んで顔が真っ赤にならないタイプだけど、目に見えて血色が良くなるのは分かるもんだなぁと、この時の僕の写真と、昨日までのクタクタの僕の表情を比べるとしみじみと感じた。

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旅は多少のトラブルがあろうと、食と酒が美味ければ大概は何とかなる、という旅の本の一節を思い出す。昨日のリスボンでメニューを適当に指差し登場したタラコ料理も、あれはあれでよかったけれど、自分で食べたいものを異国の地で味わえるというのはちょっとした達成感がある。そこに酒の一本もあれば、今日の苦労も忘れられるってもんです。

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食事を終えカルダス・ダ・ライーニャの町をぶらつく。ほろ酔いで。

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(L)宿に戻る前にバス停に立ち寄り…(R)明日乗るバスの時刻を確認。

18時頃食事を終え、「オブリガード」とお礼を言いレストランを出た。外はまだ薄明るく、明日この町を出発するバスの時刻を確認しにバス停まで向かうことに。ほろ酔い気分で夕刻のカルダス・ダ・ライーニャの路地を歩く。

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夕刻のカルダス・ダ・ライーニャ。宿まで戻ってきた。長かった一日も終わりを迎える。

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(L)本日の宿「ノヴァ・デルパ」まで戻ってきた。(R)昼間いなかったお父さんにチェックインしてもらう。

バス停で明日の時刻を確認し宿に到着したのが18:15頃。宿に戻るとお母さんと、昼間いなかったお父さんが迎えてくれた。昼間、チェックインは後でいいから観光しといでとお母さんに追い出されたので、このタイミングでチェックイン。お父さんにパスポートを提示し、分厚い宿泊者リストに必要項目を記入してもらいチェックイン完了。

ロビーにはテレビも置かれていて、先ほどレストランで放送されていたものと同じくオビドスの中継が映し出されていた。おばちゃんに「オビドス行ってきた?」的なことを聞かれた。もっと言葉が話せたら、1時間の道のりを往復したことなんかを伝えたかったけれど。

そんなわけでチェックイン完了。一人旅には広すぎる部屋で、僕は今日の旅を思い返す。
長い一日が、ようやく終わった。

| @way The Portugal Road.(12/03/01-16) | 17:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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